2017年 全米オープン

「74」→メジャー自己最高「65」 松山英樹に宮里優コーチは何を教えた?

2017/06/17 11:54
息子・優作のコーチとして帯同する宮里優氏だが、松山英樹への助言が大きな効果をもたらしたようだ

◇海外メジャー第2戦◇全米オープン 2日目(16日)◇エリンヒルズ(ウィスコンシン州)◇7845yd(パー72)

ついに訪れた手応え、感覚、そして結果。松山英樹は「全米オープン」2日目、7バーディ、ノーボギーの「65」を記録した。待ち焦がれていたのは、メジャー大会自己ベストとなったスコアだけでなく、手中に残ったパッティングの感覚だったに違いない。

「74」をたたいた大会初日のホールアウト後、パッティンググリーンで松山に助言を与えた宮里優作の父でコーチの優(まさる)氏は、いったい何を伝えたのだろうか?優氏が説明する。

「パターのグリップを握った状態で、そのまま手を開かせると、右手の平が(ターゲットラインよりも)右側を向いていた。バックスイングはまっすぐ引きたいけど、右に向いていたらインサイドに引く力が働く。これを強引にまっすぐ引くと、手首のテンションが変わってきて、ヘッドの動きもスクエア(まっすぐ)ではなくなってしまう。基本は常に、左手甲と右手の平が同じ方向を向いて、目を閉じて動かしても、ヘッドがスクエアに動く状況を作らないとダメということ」

開幕前日は、左手の握りについても助言をした。

「パターを握ったときに、左手の平に隙間があって、中の肉がよじれていた。その状態でストロークをすると、全体の中で必ずよじれが発生する。まっすぐ打っているつもりでも、そこにローテーションが入ったりする」

あくまでも“求められれば助言することは厭わない”というスタイルの優氏は、自身の考えを押し売りするようなことはない。松山も「習ってすぐ良くなるなら苦労しないけど、自分がどうなっているか言ってくれる人はすごく大事だと思う」と、優氏の存在を有り難がった。

「彼は感性を持っているので、1日(だけ)やっても生かせるものがあると思う。そうじゃないと、世界ランク4位までは来られない」と優氏。「伸ばしてくれてほっとしました」と、この日の会心のラウンドを喜んでいた。(ウィスコンシン州エリン/今岡涼太)

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