キャディが熱中症で途中交代 スピースの復調は
◇米国男子◇ディーン&デルーカ招待 3日目(27日)◇コロニアルCC(テキサス州)◇7209yd(パー70)
ジョーダン・スピースが大会連覇に望みをつないだ。ムービングデーはキャディが途中で交代するアクシデントがありながら、2日連続で「68」をマークして通算4アンダー。単独首位のウェブ・シンプソンに5打差の8位につけ、最終日は地元テキサスの大声援を浴びてプレーする。
スピースは2週前の「ザ・プレーヤーズ選手権」で予選落ち。パターをネオマレット型にスイッチして臨んだ前週「AT&Tバイロン・ネルソン選手権」では2日目に16番(パー5)で「9」をたたき、2試合連続で週末を戦えなかった。
3試合連続予選落ちとなれば、キャリアで初めてのこととなった今大会。エースパターに戻して初日「70」の34位タイでスタートすると、2日目は前半5ホールで3ボギー。逆境から5バーディを奪い返して、不名誉な初体験を免れた。
得意のパッティングに苦しみ注目を集める昨今、11位で迎えたムービングデーのトラブルは思わぬところで起こった。気温35℃前後、湿度60%を超えたこの日の体感気温は40℃以上。キャディのマイケル・グレラー氏が後半に熱中症のためリタイヤし、帯同トレーナーのデーモン・ゴダード氏が突如バッグを担ぐことになった。
「ラウンドする前にマイケルはデーモンに(体調が良くないことを)話していたと思うんだけど、僕は知らなかったんだ。11番ホールを歩いているときに(マイケルが)『これが最後のホールだ…』って言うからびっくりして」とスピース。デーモン氏は2014年にも、マイケル氏が急病となった「シェル・ヒューストンオープン」の第1ラウンドで代役を務めた。
急造コンビは14番を3パットボギーとしたものの、終盤16番(パー3)では7mを沈めてバーディ。最終18番は残り79ydの第2打をピンそば80cmにつけてバーディで締めくくった。「マイケルは、明日はもう大丈夫だと言ってたよ」と安心した様子も見せた。
昨年、悲願だった故郷テキサス州での優勝を果たした大会。逆転での連覇もさることながら「ここ何週間かに比べて今週はすごく前進している。あしたのラウンドはもちろん、来週(ザ・メモリアルトーナメント)、そして全米オープンに向かうにあたっても楽しみだ」と、視線はその先にもある。(テキサス州フォートワース/桂川洋一)