上々の仕上がり 賞金王・池田勇太が、いざマスターズへ
◇メジャー第1戦◇マスターズ 事前情報(5日)◇オーガスタナショナルGC(ジョージア州)◇7435yd(パー72)
6年ぶりに訪れたオーガスタで、池田勇太は悠然と事前調整を終えた。日本ツアー賞金王に輝いた昨シーズン、年末の世界ランキングで50位以内(当時33位)を確保して「マスターズ」出場権を獲得。ひと回りもふた回りも大きくなって帰ってきた。
年明けから出場した海外試合4試合はいずれも好成績を残せなかった。1月「SMBCシンガポールオープン」から2試合連続で予選落ち。4日間プレーする「WGCメキシコ選手権」は61位、2週前の「WGCデルテクノロジーズ マッチプレー」も予選グループリーグで敗退した。焦りがあってもおかしくない結果だが、池田は会場での練習ラウンドで自信を深めた様子を見せている。
テキサスでのマッチプレーを終えたあと、ジョージア州アトランタで調整。前週3月31日(金)にオーガスタに入った。ショットの状態が年初めより上向いていることは、誰の目にも明らかだ。懸案だった1WはテーラーメイドのM1 440 ドライバーの微調整を終えた。広く取られた、オーガスタのフェアウェイの真ん中を捕らえ続けた。
「(クラブ調整は)最終的にマスターズにアジャストできればいいと思ってやってきた。自分のひとつの目標はココだった」。池田は初出場の2010年に29 位、11年は予選落ちだったが、「前回までの経験は、変に思い出さないようにしている。今回のラウンドで感じた印象をそのままにして練習した」と6年を経て進化した、今の自分を信じてコースチェックに取り組んだ。「木がなくなっているところがある。(ショットを曲げると)前は林に入ったものが、(新たに作られた)ラフで止まってくれる。その安心感はあります」と、コースの微妙な変化もポジティブに捉えられている。
国内ツアーの賞金王が翌年マスターズに出場するのは2014年大会(松山英樹)以来3年ぶり。12年のベ・サンムン(韓国)を最後に、日本のマネーキングは決勝ラウンドに進んでいない。日本人選手に限れば、予選を通過したのは09年の片山晋呉までさかのぼることになる。「ショットが安定している。あとは風向き次第。それをどう攻略するか。今大会は自信を持って初日の1番ティに立てることが一番」。雨に降られた開幕前日も、当地で最後の練習。満を持してゴルフの祭典に挑む。(ジョージア州オーガスタ/桂川洋一)