石川遼は6年前に思いを馳せる ショットはわずかに進歩も
◇米国男子◇バルスパー選手権 3日目(11日)◇イニスブルックリゾート&GCカッパーヘッドC(フロリダ州)◇7340yd(パー71)
決勝ラウンドに入った大会3日目。カットライン上で予選通過を果たした石川遼は、この日は2バーディ、2ボギー1ダブルボギーの「73」とスコアを落とし、通算2オーバーへ後退した。順位も52位から54位へと下げた。
3日間を通して初めて池に打ち込んだ13番(パー3)で、今週初めてのダブルボギーを叩いた。その1打よりも、「池に入れるミスショットは仕方がない。それをカバーするだけのバーディ数がない」と、2つに終わったバーディ数を悔しがった。
「1W、アイアンと原因はあると思う」と、ショットの精度はまだ低く、バーディチャンスも数えるほどだ。それでも、「きのうまではインパクトのタイミングがぼやけていたけど、きょうは良いショットを打ったときには、すごく良い当たりと球だった。良い感触が球に出ていた」と、フィーリングと結果のズレがなくなってきたことを、この日のわずかな進歩と受け止めた。
スタート前、石川は自身のブログを更新して、6年前に起きた東日本大震災への思いを綴った。当時、被災地で出会った小学生たちとは、いまも交流が続いている。「子供たちは大人以上に感じているものがあると思うけど、みんなそれを正面から受け止めて、たくましく育っている。会う子、会う子が、『将来は地元のために貢献できる大人になりたい』って話してくれる。そういう姿勢を尊敬します」。
この日、石川が改めて胸に刻んだのは、“自分がゴルフをできていることが、当たり前のことではない”ということ。「あすは、きょうよりも良い感じで行けるかなという思いもある。ちょっと楽しみです」と、新たな1日にほのかな希望の光をみた。(フロリダ州パームハーバー/今岡涼太)