スネークピットに8度目の挑戦 石川遼「全選手にチャンスがある」
◇米国男子◇バルスパー選手権 事前(8日)◇イニスブルックリゾート&GCカッパーヘッドC(フロリダ州)◇7340yd(パー71)
今年で8度目の大会出場となる石川遼は、月曜日に18ホール、火曜日に9ホールの練習ラウンドを行って、開幕前日の水曜日は午前8時半から12時過ぎまで練習場で最終調整を行った。
会場となるイニスブルックリゾート&GCのカッパーヘッドコースは、“スネークピット”(蛇の巣穴/ちなみにカッパーヘッドはアメリカマムシの意)と呼ばれる上がり3ホールが有名で、昨年の平均ストロークは「+0.597」と全ツアー中、クエイルホロークラブ(+0.734/ウェルズファーゴ選手権)、ハーバータウンGL(+0.669/RBCヘリテージ)、オーガスタナショナルGC(+0.630/マスターズ)に次ぐ、4番目の難易度を誇っていた。
昨年の優勝スコアは7アンダーで、決して飛距離だけでは攻略できないのがコースの特徴。歴代優勝者には、チェ・キョンジュ(韓国/2002年、2006年)、ジム・フューリック(2010年)、ルーク・ドナルド(イングランド/2012年)と飛距離よりも精度を武器にする選手が名を連ねている。
「距離が長くて、下(地面)が軟らかいコースが多い中で、ここはそんなに長くなくて、下が硬い。グリーンの傾斜も結構きつい。どのくらいのショットを打てば、どれだけ飛んで、どれだけ転がるかということを考えてやらないといけない。最終的にどこに球を止めるかということが大事になる」と石川はいう。「だから僕は好きだし、全選手によりチャンスがあるコースだと思う」。
この日、他に記者がいなかったことをこれ幸いと、少し気になっていたことを聞いてみた。最近、石川の口からは自身のスイングに関するコメントが多く、優勝や成績へのこだわりを感じられないことが気になっていたからだ。
「目標はもちろん優勝だけど、それは初日、2日目、3日目を終えての目標。今年はまだ、そこまで行っていないから、優勝って言えていないだけで・・・。まずは初日を30~40位くらいでスタートできれば結果的には良いかなと思うし、2日目はできれば初日より順位を上げたい。優勝を狙うには3日目を終えてどこにいるかが重要。結果にこだわるなら、優勝か優勝じゃないかだと思うし、そこに入れていないときは、そこまで細かく目標を設定しない」と石川。
その初日の入り方には今年になって改善傾向を感じているという言葉を聞いて、いまさらながら、少し心のモヤモヤが晴れた気がした。(フロリダ州パームパーバー/今岡涼太)