ダニー・リー 初の長期休養が生んだ連日の60台
◇米国男子◇キャリアビルダーチャレンジ 2日目(20日)◇PGAウエスト TPCスタジアムコース 7113yd、PGAウエスト ニクラス・トーナメントコース 7159yd、ラ・キンタCC 7060yd(すべてパー72、カリフォルニア州)
松山英樹とも親交が深いダニー・リー(ニュージーランド)は、一昨年に悲願の米ツアー初勝利を挙げ、同年(2014-15年シーズン)はフェデックスカップポイントランキングで9位と飛躍。ところが昨季はトップ10入りが2回に留まり、ランキングも92位に沈んだ。
今季も昨秋に開幕から、出場した4試合のうち最終日までプレーした2戦も50位、51位。低調な成績を受け、11月末に「ISPSハンダ ワールドカップ」を戦ったあと、思い切って「1カ月の完全オフを取った」という。「昨季は本当に残念だった。(小さい頃に)クラブを握ってから、こんなに長く休養したのは人生で初めてだった」。時間のほとんどを家族や友人と過ごした。
トレーニングや練習を再開したのはここ2週間のこと。それゆえ“復帰戦”にした今週、成績への期待は、まったくなかった。それが初日はTPCスタジアムコースで「67」、2日目はラ・キンタCCで8バーディ「64」。3m前後のパットを立て続けに決めて通算13アンダーの2位タイにつけている。「休んだことは特に精神面に良かったと思う。(久々の試合で)80は叩かないようにと思っていた。マジメにね。(今大会は)アマチュアと一緒だから、とんでもないショットだけは打たないように…って」
ロサンゼルスから東へ約200km。山に囲まれたカリフォルニア州の砂漠地帯は、日中に長時間、雨が降り続けるのは年間で7日ほどだというが、ここ2日は悪天候が続いている。傘の下の多くは、険しい表情。それでもリーは「雨の中でプレーしたいんだ。あしたも降ればいい。いまは、いろんなことを試す期間だからね」とケロリ。あくまで無欲を貫いていた。(カリフォルニア州ラ・キンタ/桂川洋一)