今週も優勝争いへ 松山英樹がエルスに見る理想像
◇米国男子◇CIMBクラシック 2日目(21日)◇TPCクアラルンプール(マレーシア)◇6951yd(パー72)
ショットへの自己評価は「きのうは25点だったら、きょうは45点くらい」だという。復調傾向にあっても、松山英樹は「まだ“自信”がないところでマイナス55点」とこぼしたが、高いスコアメーク能力に陰りはない。16位から「64」を叩き出し、通算11アンダーとして首位に3打差の3位タイに浮上した。
開始から4ホール連続で作ったバーディチャンスを活かしたのは3番(パー5)だけ。「流れが良いのか悪いのか…」と思うように伸ばせない展開を経て、松山のエンジンは5番(パー5)でかかった。残り196ydの2打目を6Iで2オンさせ、7mのスライスラインを沈めてイーグルを奪取。出入りの激しかった前日のラウンド後に口にした「ダブルボギーも、ボギーも打った。バーディも獲った。あとはイーグルが来るのを待つだけです」という言葉はさっそく現実になった。
5位だった前年大会の優勝スコアは通算26アンダー。連覇を狙うジャスティン・トーマスがことしも36ホールを終えて14アンダーまでスコアを伸ばしている。「(通算)10アンダーくらいまではきょうで伸ばしておきたい」という見立て通り、10番(パー5)までにさらに2バーディ。15番(パー3)では「ちょっと(芝を)噛んだ。ピンの根元に行くつもりだったのに」という8Iでの第1打もピン手前2mについた。上がりは2連続バーディで締めくくり、自身の2016―17年シーズン初戦で優勝争いに加わった。
全体の進行が遅れ気味だったこの日は、前半から同組のメジャー通算4勝、アーニー・エルスと談笑するシーンが多かった。「ワールドカップでは誰と組むんだ?」「リョウ(石川遼)とはプレジデンツカップで一緒にプレーしたよ」「君はきっとメジャーを勝てる」――。南アフリカ出身の殿堂入り選手は、インターナショナルプレーヤーの尊敬の的。親しみを込めて声をかけてくれる47歳の姿には、松山にも噛み締める思いがあった。
「ああいう“大きな人”になりたいなと…カラダじゃなくて。雰囲気もそうですけど。ああいう人になれるように頑張りたい」
実績はもとより、人間的にも優れていてこそのレジェンドゴルファー。将来の理想像も頭に描きながら、松山は目先の1勝を重ねていく。(マレーシア・クアラルンプール/桂川洋一)