8カ月ぶりの米ツアー 石川遼「なんとか間に合った」
◇米国男子◇CIMBクラシック 事前情報(19日)◇TPCクアラルンプール(マレーシア)◇6951yd(パー72)
再会を多くの選手、関係者が歓迎してくれたことが何より喜ばしかった。腰椎の故障からのカムバックを経て、2016-17年シーズンの第2戦で、8カ月ぶりに米ツアーに復帰する石川遼。「思ったよりも英語でコミュニケーションが取れたんで良かったですね」。久々の英会話でのやり取りにも支障はなく、安堵して主戦場に舞い戻った。
2月の「ウェイストマネジメント フェニックスオープン」を最後に戦線離脱した石川は、今大会はツアーの公傷制度を利用して復帰したシーズンの初戦となる。マレーシア入り翌日の18日(火)は松山英樹とイン9ホールの練習ラウンドを敢行。大会前日の19日(水)は午後からプロアマ戦に出場した。日中の雷雲接近からスタート時刻が遅れ、日没で1番から6番まではプレーできなかったが、大会には3年連続の参戦。「9番のティだけ去年より下がったけれど、そこはプレーできたので良かった」と納得した。
7月から前週の「日本オープン」までに出場した5試合の国内ツアーは、初戦で予選落ちを喫してから、優勝、2位、3位、7位で終えたが、コースの難度は別モノと理解している。段差のあるグリーンを取り囲むラフが「ボールの飛び方の種類が多い。判断が大事になる」という一番の警戒ポイント。「こういうコースの方が違和感はないんですよね」と、ショットを置くべきスポットが明確なレイアウトに闘争心が湧くが、いまもっとも頼りにできる、パッティングまでの組み立て方が重要になりそうだ。
石川の公傷制度適用申請は9月中旬に正式に承認された。新シーズンはまず、出場を認められた計20試合で、フェデックスカップポイント399ptを積み上げ、今季のシード権を維持すること(21試合目以降の出場権を確保すること)が最初のターゲットになる。
日本での好成績がそのまま反映できるとは思っていない。「5試合は自分のバロメーターとして捉えていた。この5試合で1勝できないとこっちでは通用しない。そのくらいの状態に戻してPGAツアーに戻りたいと思っていた」。8月「RIZAP KBCオーガスタ」で飾った日本ツアー通算14勝目は自らに課したノルマ。「なんとか間に合った、と言っていいと思います」。待ちに待った、リスタートだ。(マレーシア・クアラルンプール/桂川洋一)