「細胞が震えた」 片山晋呉、日本人ゴルファー初の五輪開会式
2016/08/07 08:00
日本人ゴルファーとして史上初めて、オリンピックの開会式に出場した片山晋呉。ブラジル・リオデジャネイロにある7万8000人超を収容するマラカナンスタジアムが人で埋め尽くされ、その中を日本代表の赤と白のスーツを着て行進した片山は「細胞が震えた」と、感動を振り返った。
「今まで感じたことがない震え。優勝争いしたマスターズで、最終18番を上がってくるときともまた違うもの」と片山。入場行進の前に、日本選手団の橋本聖子団長が選手たちの前で自己の経験を踏まえた話をしたという。
「本物の人が、本物の人の前で、本物のことをしゃべると化学反応が起きる。本を読んで感銘するより“うわっ”ていうのを受けた」と片山。そのまま、大観衆が待つ競技場へ歩いていくと「ゴルフを始めて、高校、大学と行って、プロになって苦労して…。そういうことが走馬灯のように思い出された。感謝というか、ここにいられてありがたいという思いしかしなかった」と、かつてない陶酔を味わった。
「個人でやるっていうのは、極端にいうと自己満足の世界。でも、今回は自分のためだけじゃなく、ゴルフをしない人も含めた日本国民すべてのため。それを感じた」
「成績というより、この場所に来て、こういう気持ちを味わってほしい。これを味わったら僕だって、より一層やる気になる」
片山にとっても、言葉では容易に表現できない心境だったことは想像に難くない。(ブラジル・リオデジャネイロ/今岡涼太)