脱“気遣いのマツムラ” 松村道央が米ツアーで目指すもの
オハイオ州で行われる「WGCブリヂストン招待」で5年ぶりの米ツアーに出場する松村道央は開幕2日前の28日(火)、会場のファイヤーストーンCCで練習ラウンドを開始した。前週石川県で行われた国内ツアー「ISPSハンダグローバルカップ」を17位タイで終え、27日(月)に米国入り。時差ぼけの体でもコースチェックを怠らなかった。
この日は前半のイン9ホールを、過去に大会出場経験のあるキム・キョンテ(韓国)とプレー。攻略ルートを教わりながらクラブを握った。「人から聞いて、自分が思っていたよりは、フェアウェイでボールが転がってくれる。うまく利用したいが、ラフに行くと厳しい。試合になると緊張感が出てくるので、その中でどう対処できるか」と、まずは得意の1Wショットをポイントに掲げた。
昨年秋の国内ツアー「ブリヂストンオープン」優勝で手にした出場権。米ツアーは2011年の「WGC HSBCチャンピオンズ」以来となる。
目標については「優勝うんぬん、ということではく、僕はワールドランキングをわきまえている(310位)」と松村は控えめに言った。「とにかく経験を積みたい。どこまでやれるか楽しみ。1打、1打ベストを尽くして頑張るしかないですね」と予選落ちのない4日間大会にまずは死力を尽くす姿勢だ。
来月22日に33歳。海外ツアー進出の夢だってある。そのために「まずはどんどん、この場に慣れていきたい」という。
「こういう海外での試合が当たり前になると、またメンタルも変わって来ると思う。ここに“いて、当然”という風にならないと。今回はまだ、自分の力で出た感じがしない。ただ日本の1試合でのチャンピオンというカテゴリに過ぎない。ワールドランキングを上げて、経験を積んで…。選手と顔見知りになったり、(ツアーの)スタッフの方からも認識されたりする感じにならないと。僕はまだ『ナイス・トゥ・ミーチュー』(はじめまして)ばかりですよ」
ボールを打っているとき以外は、多少なりとも萎縮している自分を感じる部分があるようだ。「“気遣いのマツムラ”が、“気遣いをしないマツムラ”になったらやれそうな気がする」。初夏のアメリカで、少しでも大胆になって帰りたい。(オハイオ州アクロン/桂川洋一)