岩田寛に届いた父からのプレゼント
3週続けての決勝ラウンド。ミュアフィールドビレッジGC(オハイオ州)で迎えた「ザ・メモリアルトーナメント」3日目、岩田寛は中盤に6バーディを重ねて一時は7アンダーまで伸ばしたが、終盤にスコアを落とし通算4アンダーの58位で終えた。
「1Wとパターは良くなかったけど、アイアンがだいぶ良かった」という土曜日。岩田は6番からの9ホールで、6バーディを荒稼ぎした。バーディパットはすべて3m以内につけた。付け加えるなら10番、15番でも、外しはしたが1mちょっとのバーディチャンスにつけている。
池の先に、グリーンが右手前から左奧に斜めに配された16番(パー3)で、ピンポジションは最難関の左奧。実測181ydで右からの風に6Iを振り抜くと、球は軽いドロー軌道を描いて真っ直ぐピンに向かって飛んでいった。「今日、一番良いショット」という一打だったが、グリーン面に1yd短く、手前の傾斜に当たって池へと転がり落ちてダブルボギー。続く17番もフェアウェイバンカーから谷越えのグリーンを6Iで果敢に攻めたが、高く上がり過ぎた球は、谷底のクリークへと消えていった。
だが、岩田の表情は沈まなかった。「(ミスが)僕の中の範囲内に収まってくれていたので、割と自信を持って打てていた」と、“フンフン”とはいかないまでも、下を向かずに歩き続けた。
今週、日本にいる岩田の父・光男さんから、息子へのプレゼントが到着した。最新式の弾道計測器「トラックマン」だ。普段、連絡を取り合うことはほとんどないという親子だが、「何かをつかむきっかけにしてほしい」という伝言とともに、関係者に託されて米国へと届けられた。
第2ラウンド終了後の練習場に初めて持ち込んだ。「どうせ(芯に)当たらないから使わないで」と言ったが、無視された。それでも、計測されたデータを見て飛距離とヘッドスピードが落ちていることを認識した。
前日に続き、この日もラウンド後の練習場で「トラックマン」を使用した。ロフトの違う1Wを打ち比べ、スピン量や飛距離を見ながら最適なセッティングを探し求めた。「(父に)何を言われても僕が聞かないんで」と会話は減ったが、その絆は昔も今も変わらない。(オハイオ州ダブリン/今岡涼太)