2016年 AT&Tバイロン・ネルソン選手権

「迷走じゃなく、迷歩」岩田寛がまた迷言

2016/05/19 11:56
開幕前日、パッティング練習を行う岩田寛

米国男子ツアー「AT&Tバイロン・ネルソン選手権」開幕前日の18日、1週間のオフを挟んだ岩田寛は、試合会場のTPCフォーシーズンズリゾート(テキサス州)で約1時間アプローチとパットの練習をするなどし、最終調整した。

出場3試合連続で予選落ちを喫している。不甲斐ないプレーが続くときは、心の中でどんな葛藤をしているのか?岩田は「我慢してやっていくしかないと思うけど、それもだんだんできなくなってきた。でも、もっと我慢するしかない」と言う。

思い通りにいかないショット。一度のミスに気持ちを切り替えようとしても、すぐにまた同じミスが出る。「技術が足りない。単純に練習不足」。様々なことにトライするが、答えを得られない日々が続いている。「迷走じゃないですね。走ってない。迷歩(めいほ)です」。自虐的な言葉だけは、スラスラと出てくるのだ。

予選落ちした2週間前の土曜日に、すぐにテキサス州ダラスへと移動してきた。だが、翌日曜日から水曜日までは「何もしなかった」とホテルの部屋に閉じこもった。

「去年のJT(日本シリーズJTカップ)が終わってから、全然休んでいなかった。張り詰めちゃって、休むと罪悪感があったから」。それ以来、今回は存分に気を抜いた。月曜日にはMLBテキサスレンジャーズの試合を観戦した。「“何もしたくない”って(当初は)行く気はなかったけど、行ったら行ったで面白かった」。小学生時代はキャッチャーで1番バッターの野球少年。気分転換にはうってつけのイベントだった。

前週木曜日から練習を始め、すでにTPCフォーシーズンズリゾートは2ラウンドした。「パー5は全部届きそう。でも、外したら全く寄らないところもあるし、考えながらやっていきたい。考えられるような技術じゃないけど…」。前回から使い始めたキャビティタイプの新アイアンの感触も「クラブ(の問題)じゃない」と自嘲した。

どれだけ練習を重ねても「(練習を)したなって感じはしない。下手だなとしか思わない」と達成感はない。開幕前日も「不安しかない」と、高揚感とは無縁のままだ。「早く布団に入りたいっていつも思う」という本戦が、またスタートする。(テキサス州ダラス/今岡涼太)

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