2016年 ザ・プレーヤーズ選手権

2ダボも4アンダー発進 松山英樹が誇るツアーナンバー1の数字とは?

2016/05/13 09:43
ミスをしても取り返す。松山英樹はバウンスバック率で堂々の1位

米国男子ツアーで“第5のメジャー”の異名を持つ「ザ・プレーヤーズ選手権」が12日、フロリダ州のTPCソーグラスで開幕した。松山英樹は中盤に2つのダブルボギーを叩きながら、バーディを8つ量産し「68」。4アンダーの23位タイと出遅れを免れた。

9アンダーの単独首位発進を決めたジェイソン・デイ(オーストラリア)をはじめ、午前中にプレーした選手が演じたスコアの伸ばし合い。午後2時前にティオフした松山も、そのハイペースに着いていった。1番でフェアウェイから残り114ydをピンそば1mにつけてバーディスタート。4番の2打目ではグリーン奥からの傾斜でボールを戻して1m、5番も2打目で1mと、アイアンの切れ味の鋭さを見せつけて早々に3アンダーとした。

中盤に光ったのは松山の挽回の力。8番(パー3)、ティショットを4Iで大きく左に曲げると、2打目ではグリーンに届かずバンカーにポトリ。縁に近い位置からのショットを強いられ、3オン2パットのダブルボギーを叩いたが、すぐに続く9番で4m、10番で2mを沈める連続バーディですぐに取り返した。

11番(パー5)では1Wショットが左からの向かい風にも煽られて右サイドへ。ボールがブッシュの下に潜り込んだ。アンプレヤブルとして結局5オン2パットで2つ目のダブルボギー。だが、直後の12番に訪れた4mのバーディチャンスを逃さない。14番ではグリーン左サイドのバンカーからチップインバーディを決めた。

この日は今週の練習ラウンドで使用していたネオマレット型のセンターシャフトのパター(スコッティ・キャメロン コンビ プロトタイプ)を実戦投入。「パターを替えたおかげかは分からない」と原因をそこだけに求めるのは拒んだが、18ホールでわずか24パット。最終18番も4mをしっかりと沈め、「疲れました」という出入りの激しいゴルフをバーディで締めくくった。

1Wショットに精度を欠き「フェアウェイに行った1番も、たまたま行った感じ。2番も(右サイドの)林に行きましたし…。9番(340ydを記録)以外はあんまり良くなかった。打ちづらいところでもしっかりスイングできればフェアウェイに行く」と仏頂面だったが、この日のプレーは松山の魅力のひとつが、素直に引き出されたものでもあった。

今季1ラウンドあたりのバーディ率4.70はツアーで3位。バウンスバック率(ボギー以上を叩いたホールの直後のホールをバーディ以下で上がる確率)29.35%は、全体のトップに君臨する。技術的な修正能力、悪い流れを寸断する精神力の高さが表れた記録だ。

とはいえ本人は、そんな細やかな数字は一瞥して済ますはず。「8バーディを獲っても、トップの人(デイ)は9バーディですから。(自分のスコアは)気にしないです」。頭にあるのはきょうもタイトルだけだ。(フロリダ州ジャクソンビル/桂川洋一)

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