2016年 ウェルズファーゴ選手権

耐えたグリーンマイル 松山英樹はギリギリ予選通過

2016/05/07 09:13
あぶねえ、あぶねえ…松山英樹はカットライン上で決勝ラウンドに進出した

薄氷を踏む、とはこのことだ。ノースカロライナ州のクエイルホロークラブで開催中の米国男子ツアー「ウェルズファーゴ選手権」2日目。2オーバーの101位タイから出た松山英樹は4バーディ、3ボギーの「71」で回り、通算1オーバーの62位タイ。終盤の難ホールをくぐりぬけ、ギリギリで決勝ラウンド進出を決めた。

ホールアウトした松山の顔は疲労困憊…ゆえに空元気、といったところだった。「おつかれさまでした…ハラハラではなく、イライラしました。バーディを獲った後にボギーを打って…何してんだろうね!」。1月末「ファーマーズインシュランスオープン」以来となる今季2度目の予選落ちを回避。安堵感たっぷりの息を吐き出した。

決勝ラウンドに進むためには、結果的にひとつスコアを伸ばせば良かった。前半5番(パー5)でバーディを先行させたが、6番(パー3)でアプローチミスからボギー。7番(パー5)では残り203ydを7Iでフォローの風と、グリーン左奥から右手前に下る傾斜を利用してピンそば2mにつけながら、パットを外してイーグル逃しのバーディとした。続く8番ではウェッジでのミスが続いてボギーを叩いた。この日、戻した愛用のスコッティキャメロン製のパターでも好結果につながらず、後半もバーディを奪った直後の12番でボギー。勢いを自ら断ち切るような展開が続いた。

カットラインの上下をさまよいながら、地力を見せたのは15番(パー5)でバーディを奪って再び予選通過圏内に入った後だ。クエイルホロークラブの上がり3ホールは“グリーンマイル”と呼ばれる難所。すべてにウォーターハザードが絡み、「連続する3ホール」として2007年以降、「マスターズ」が行われるオーガスタナショナルGCの10~12番をしのぎ、対パーの平均スコアでワーストを記録している。

土俵際に立たされた松山は16番、1Wショットを池とは逆の右サイドに大きく曲げながら、なんとか2オン2パット。17番(パー3)では奥のカラーから、マウンドを越えて急激に下る2打目を「練習ラウンドでやっていたのでイメージはあった」とパターで1mに寄せてパーを拾った。左サイドにクリークが流れる、最難関の18番は1Wでフェアウェイをキープ。「セカンドも良いショットだったので、パーでは上がれるかなと」。2パットでなんとかしのぎ、綱渡りで週末に乗り込んだ。

「カットライン上にいるのは(スコアボードを)見ていて分かっていた。16番、17番はなかなかバーディを獲れるホールじゃないですけど、あんなピンチにしなくていいですよね」と苦笑いがこぼれたが、聞き逃せない手ごたえもあるという。「ショットに関しては、悪いところもありますけど、自分のフィーリングの中で『こうしたら良くなる』というものが、つかめてきている。ここ何年かなかった雰囲気がある」。その感触をより確かにするためにも、週末のプレーは貴重な機会になるに違いない。(ノースカロライナ州シャーロット/桂川洋一)

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