片岡大育 反省と収穫を得たメジャーチャンプとの最終日
米国男子ツアー「ソニーオープンinハワイ」最終日を首位と5打差の6位から出た片岡大育は、1イーグル、3ボギー「71」(パー70)と1つ落とし、通算10アンダーの33位でフィニッシュ。次戦の米ツアーに出場できるトップ10には届かなかったが、「4日間回れたことが本当に良かったし、すごく楽しかった」と充実の言葉で米ツアーデビュー戦を締めくくった。
最終組からふたつ前の組でのスタートは、ラウンドをともにするメンバーも豪華そのものだ。2012年「全米オープン」覇者のウェブ・シンプソンと、13年「全米プロ」を制したジェイソン・ダフナー。真っ先に「やっぱりパッティングが上手だった」と評したのは、この日グリーン上で苦しんだ片岡自身の展開もあったのか。ショットで多くのチャンスを作りながらも、「1ミリくらいの差でパットが入らなかった」とカップに嫌われ続ける。「全部カップに触れていたので、悔しい気持ちですね」と無念さをにじませた。
もうひとつ痛感したのは、持って生まれた体格とパワーの違いだ。「やっぱり、距離は大事だな・・・」。顕著だったのは前半の2番。2打目で135ydを残した片岡に対し、2人は100地点からウェッジでピンに絡め悠々とバーディを奪った。対して片岡はピン左6mと寄せきれず、2パットのパー。「ウェッジでスピンの効いたボールが打てないとチャンスにつけられない。その差を感じた」。特にピンが手前に切られた場面で、その壁はより高さを増したという。
ピンがグリーン左手前に切られた直後の3番では、フェアウェイから152ydの2打目を9Iで左に引っ掛け、グリーン左の池に打ち込みボギーが先行。「もっと右に逃げれば良かったけど、ちょっと捕まってしまった。『そろそろ自分も行かないと』と焦ってピンに打たされたのはあった」と、3日目までにはなかった心境の変化が手痛いボギーを誘発した。
それらのミスも含めて、メジャーチャンプとのプレーは自分らしさを再認識させる貴重な財産にもなった。「自分は“引いて頑張る”というようにやらないと、改めていけないと思った。今の段階で僕がやらないといけないのは、パットの精度やアイアンの距離感とか、そういったところ。良い経験になりました」。
自身の持ち味と再認識した部分、特にショットの正確性は世界でも十分に通用するものだった。最終日は4ホールでフェアウェイを外したが、4日間を通じてのフェアウェイキープ率78.9%(44/56)は全体2位をキープ。オフには弾道測定器を練習に取り入れ、「フェードでもドローでもなくストレートだと思っていたけど、その通りで。自分が思っていることが明確になり、ミスをしても修正しやすくなった」という。収穫を胸に、2週間後に迫った16年度の国内ツアー初戦「SMBCシンガポールオープン」(1月28日~/シンガポール)に向けた最終調整に入る。(ハワイ州ホノルル/塚田達也)