今季日本で5勝の金庚泰「賞金王だけを考えたら出なかった」
今季の国内ツアーで5勝を挙げ、賞金王争いで2位に7500万円以上の差をつけて独走しているキム・キョンテ(韓国)が、中国・上海で開催される世界ゴルフ選手権シリーズ「WGC HSBCチャンピオンズ」に出場する。
5勝目を飾った先週もショットの調子は「50%くらいだった」というキムだが、「7m以上のパットがたくさん入った」とグリーン上のパフォーマンスで優勝をもぎ取った。当地入りしてからもショットはまだ本来の調子ではなく、「このショットで毎週、毎週というのはきつい」と、3日に行った練習ラウンド(18ホール)後も練習場で入念に打ち込みを行った。
今週は賞金総額850万ドル(約10億円)の大会で、たとえ最下位でも4万ドル(約480万円)が手に入る。賞金規模で比べれば、国内ツアーの最も小さい試合とは約20倍の開きがある。
だが、キムはいう。「昔からお父さんに言われていたことがあります。“小さな試合はより集中しなさい。大きな試合は練習のようにやりなさい”。だから、気持ちはどの試合でも一緒ですね」。
一度は挑戦しかけた米ツアーへと続く道。昨年の今大会で3位に入った岩田寛のようにウェブドットコムのファイナルシリーズに出られるフェデックスカップ200位以内も、また来年のメジャー大会やWGCの成績次第では同125位以内に入って直接来季のシードを狙うことも可能になるチャンスだ。
「それはそうですが、良い勉強になりますからね。賞金王のことだけを考えたら、この試合には来ていません。日本の試合に出ているだけだと、世界のこういうフィールドでやる機会はない。日本も大事だけど、チャンスがあるのに出ないのはもったいない」と、今週は迷わず出場を決断した。
「自分のゴルフがどれだけよくなったのか。世界の選手とどうなのか見てみたい」と期待を膨らます。今季、3年ぶりの優勝から見事な復活劇で日本ツアーを席巻中。世界での戦いぶりに注目だ。(中国・上海/今岡涼太)