2015年 CIMBクラシック

爆発的スコアへの挑戦 松山英樹「いかに一打に集中するか」

2015/10/31 18:38
首位と3打差でホールアウトした松山英樹。久々の優勝争いに気合いが入る

マレーシアにあるクアラルンプールG&CCで行われている米国男子ツアーの新シーズン3戦目「CIMBクラシック」の3日目。6バーディ、2ボギーの「68」で回った松山英樹は通算17アンダーとして、首位と3打差の4位タイ。1打差で優勝を逃した今年2月の「ウェイストマネジメント フェニックスオープン」以来、約9ヵ月ぶりに、首位と3打差以内につけてツアー2勝目に挑戦する。

最終組の1組前。午前9時45分に第2ラウンドを終えて単独首位だったジャスティン・トーマスを2打差で追いかけてティオフした松山は、3番(パー5)でバーディを先行させ、続く4番はピン右から3mをねじ込んで連続バーディとする順調な滑り出しを見せ、上位での戦いを続けた。

今週初めて18番(パー5)でバーディを奪うなど、計6つのバーディを積み上げた。「昨日、一昨日までのショットの感じではないけど、伸ばすところはしっかり伸ばせた」とチャンスをきっちりものにしたことには胸を張る。

その一方で、「ミスの範囲が徐々に広がっている。“スコアを崩しちゃいけない”とか、そういう気持ちが入ってくると、そういうことに繋がってくる」と、優勝争い時の心境変化を課題とした。「いかに1打に集中できるかが大事になる」。終盤はショートパットのミスが響いた。15番は1.5mのパーパットを外し、16番4m、17番1.5mとそれぞれバーディチャンスを決めきれなかった。最終18番で1mのバーディパットを沈めたことが明日への吉兆となるだろうか。

今週は普段はツアーレップを務める藤本哲朗氏をキャディに据える急造タッグで奮闘中。この日の5番(パー5)は、ピン奥2mのバーディチャンスながら、下りの微妙なライン。松山は、代役キャディに「パッと見、どう見える?」と聞いた。「スライスに見えるけど」と藤本氏。だが、バーディパットはカップ左をすり抜けて、フックしていった。「よく分からないよね(笑)」と白い歯をこぼした松山。“相棒”を頼りにしつつも、責任は自分ひとりで受け止めて戦っている。

3日目を終えて、首位は大会記録を大幅に更新する20アンダー(2012年の16アンダーが最多。同コースに移ってからは2013年の12アンダーが最多)で突っ走る。「爆発的なスコアを誰かは出しているので、それが自分に来るようにしっかりと練習したい」と松山はいう。「(3打差は)なにがあるか分からないし、自分のフィーリングを戻すことができれば爆発的なスコアを出すこともできる。優勝することもできると思う」。首位と3打差以内に7人がひしめく混戦を、切れ味するどく抜け出せるか?(マレーシア・クアラルンプール/今岡涼太)

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