松山英樹 グリーンで勢い止まる「自信を持てなかった」
2015年の「全英オープン」が16日(木)、スコットランドのセントアンドリュースで開幕。ゴルフの聖地でメジャー初制覇を狙う松山英樹は3バーディ、3ボギーの「72」で回り、イーブンパーの64位タイと出遅れた。
序盤は思い通りの展開と言えた。出だしの1番、3番と第2打をピンそば2m以内につけてバーディを重ねると、ロングアイアンで2オンに成功した5番(パー5)で3つ目。伝統リンクスコースには初日、南東からの海風が抜け、7番までは常に右からの追い風を浴びてプレーした。「ピンポジションも前半の方が楽でした。うまく3アンダーでターンできたが、もう少し伸ばしたいところもあった」というほど快調な滑り出し。
メジャー3連勝がかかるジョーダン・スピース、6月の「全米オープン」で惜敗したダスティン・ジョンソンといった同組選手と競うようにスコアを伸ばした。
流れが停滞を始めたのは、2打目のアイアンショットが傾斜でグリーン手前に戻った10番。2mのパーパットを外してボギーとすると、11番(パー3)、12番と、立て続けに3mのチャンスを外した。オールドコースの最北端(12番ティ)で折り返した後は、最終ホールまで左から向かい風を浴び続けることになる。14番(パー5)で1Wショットを左のポットバンカーに入れ、2打目はピンと反対方向に出すことを余儀なくされボギー。15番は1.5mのパーパットを外し、前半の貯金を使い果たした。
開幕前の感触通り「ショットに関してはだいぶ良かった」が、満足いくパットが続かなかった。「途中まではいい感じで打てたが、入らなくなってから自信がなくなった。結局、最後まで自信を持って打てなかった」
大会前の雨の影響もあり、芝は例年よりも青く、ショットが止まりやすい。グリーン上でボールの転がりが極めて不安定だった6月の「全米オープン」に比べれば、パット時のストレスも少ないはず。ただ、それはあくまでチェンバーズベイGCと比較してのもの。「ラインの読みも悪くない感じでいっているんですけど…最後の1mくらいが読めなかった」。セントアンドリュースのグリーンにはわずかにポアナ芝が混じり、ボールをいたずらに揺らすカップ周りの頑固な芝が、1打を左右する戦況は例年と同じだ。
「あしたいいスコアでいければ上位に行ける。ただ、いまの状態では上には行けない」。予選カットライン上で迎える2日目を前に募る危機感。いきなり立たされた苦境が、気持ちを練習場へと急がせた。(スコットランド・セントアンドリュース/桂川洋一)