2015年 全米オープン

松山英樹 痛恨ダボは「無理をし過ぎた」

2015/06/21 12:04
14番でバンカーから2打目を放つ松山英樹。アゴに当たって、再びバンカーに転がり落ちた

がまん比べとなったメジャー大会のムービングデーは“動かない”ことにも価値がある。ワシントン州のチェンバーズベイで開催された海外メジャー第2戦「全米オープン」の3日目、「72」(パー70)とスコアを落とした松山英樹は、通算3オーバーでホールアウト。それでも、アンダーパーで回った選手が4人だけという中、順位は前日の21位から19位へとじわりと上がった。

平均スコア「73.133」となったこの日。1番で7mを沈めてバーディ発進とした松山は、前半は貴重なパーを拾い続けた。5番はグリーン手前のバンカーから3mに寄せて1パット、続く6番は2打目が奧のラフにこぼれたが、3mに寄せてこのパットもねじ込んだ。

519ydを打ち上げていく7番では、3Wのティショットを右サイドのバンカーに入れ、2打目はグリーン手前の傾斜を転がり落ちた。3打目のアプローチはピン上7mに止まったが、これをカップに流し込むと、松山は力強く右拳を握りしめた。

きわどく繊細なパーセーブを続けていた松山の流れが変わったのは、8番(パー5)だろう。2打目をグリーン手前まで運んだが、アプローチをミスしてチャンスを逃すと、続く9番(パー3)は3パットのボギーとした。11番も2打目がグリーン手前に転がり落ちてボギーとし、1オン可能な12番は3mに寄せたアプローチから2パットのパー。チャンスを逃し、ピンチは堪えきれなくなった。

見えない焦りがあったのか。コース内で最高地点となる14番のティショットは1Wを振り抜いたが、「思いのほか、ドローが掛かりきらなかった」と、フェアウェイ真ん中のバンカーに入れてしまう。2打目は打ち下ろしでピンまで200yd。7Iを握った松山だが、バンカーのアゴにあてて脱出失敗。「グリーン右手前の傾斜を使えば、チャンスが広がると思った。ちょっと無理をし過ぎた」と、ダブルボギーにつながったミスに顔をゆがめた。

最終18番(パー5)でバーディを奪い返したが、首位とは7打差。「自分自身の調子も昨日までより全然良い。結果がついてこないのは、このコースで戦うだけの技術がまだないのかなと思う」と、悔しさは自分にぶつけた。コース経験のなさも「みんな平等」と言い訳にはしない。取材対応を終えた松山は、無言で練習場へと向かって行った。(ワシントン州ユニバーシティプレイス/今岡涼太)

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