2015年 チューリッヒクラシック

石川遼は暫定21位に浮上 「久しぶりのチャンスという感じ」

2015/04/25 08:01
手応え十分のラウンドにキャディと笑顔を交わした石川遼

ニューオーリンズにあるTPCルイジアナで行われている米国男子ツアー「チューリッヒクラシック」の2日目、石川遼は3ボギーのあとに今季最多の8バーディを取り返して「67」でホールアウト。雷雲接近のため、この日の競技は16時半に中断となったが、通算7アンダーへとスコアを伸ばし、首位と4打差の暫定21位タイで決勝ラウンド進出を確実なものとした。

序盤の5ホールで3ボギー、その後の13ホールで8バーディ。最終18番(パー5)の2打目はキャディの大反対を押し切って、「イケイケです」と直ドラで果敢に攻めてバーディ奪取。これがゴルフと言ってしまうには、あまりに鮮明なコントラストだった。

立ち上がりはミスからボギーを積み重ねた。1番は左6mのバーディパットがカップ間際で加速して、1mオーバーしての3パット。2番(パー5)は1Wを右ラフに曲げ、木の間を抜こうとした第2打が右に出て林の中へ。5番も1Wを右に曲げ、ピン下2mのパーパットを右に外した。

2アンダーから出て、わずか5ホールで1オーバーへ急降下した。「カットは2アンダーか3アンダーになると思っていたので、逆に離れすぎていて、もうやるしかないという感じだった」。恐れも緊張も感じる暇すらなかったのが、不幸中の幸いだったか。

6番でグリーン右10ydからSWで直接沈めたこの日初バーディが、雰囲気をがらりと変えた。7番(パー5)はフェアウェイからの3打目を「引っ掛けて」左奧6mにつけたが、これを沈め、8番は残り114ydからバックスピンでカップをかすめて30cmにぴたり。9番(パー3)は7Iで右1mにつけ、あっという間に4連続だ。

11番(パー5)で5つめ、12番は12mのバーディパットが最後のひと転がりでカップに消えた。「打った瞬間は少し弱い感じだったので必死に“ゴー!”って言ったんですけど、聞こえていたみたいです(笑)」。15番でも9mのバーディパットを沈めると、左手に持ったパターを高々と宙に掲げた。

18番は右サイドに池が広がるパー5。1Wでフェアウェイに置くと決断した。「少し左足上がりで右からのアゲンスト、ピンまでは275yd。マークして拾ってボールを拭ける(プリファードライ)し、1Wで打つにはこれ以上ない好条件だった。キャディとしては、ここまで積み重ねてきたスコアもあるし、直ドラは右に行きやすい、ミスして池に入ってボギー、ダボというのもある。止めることは分かっていたけど、あまりに絶対うまくいくと思ったから――」。直ドラでグリーン左のバンカーまで運ぶと、3打目を1mに寄せてバーディ締め。2日間14バーディは現地点でフィールド1位に輝いている。

全体を見れば、まだアイアンに関してはバラツキがある。特に距離感を出そうとしたときに、軸がぶれてミスが出やすいという傾向は本人も把握している。それでも、優勝争いは可能だと石川は信じている。「自分が理想とするプレーに比べると、まだまだ綱渡り状態だけど、今の状態で優勝争いができないかというとそれは違う。優勝争いできるプレーは持てているし、本当に久しぶりのチャンスという感じ。自分の力を試すチャンスだと思うので、本当に頑張りたい」。

この週末、ニューオーリンズのダウンタウンではジャズ・フェスティバルが開催されている。譜面通りでないアドリブ演奏で味を出すのがジャスの魅力だ。18ホールのプレーも、多少途中で音程が外れても、気にすることはない。(ルイジアナ州ニューオーリンズ/今岡涼太)

2015年 チューリッヒクラシック