2015年 マスターズ

マキロイは窮地からカムバック 「自分を褒めてあげたい」

2015/04/11 11:56
後半のスパートで予選通過圏外から上位に飛び込んだR.マキロイ(Andrew Redington/Getty Images)

男子メジャー初戦の第79回「マスターズ」2日目、世界ランク1位のロリー・マキロイ(北アイルランド)は午後1時48分にティオフ。前半は3つのボギー、9番ではダブルボギーを叩き、一時的に予選通過圏外までスコアを落としたが、後半に1つのイーグルと4つのバーディでスコアを戻す意地をみせた。

2日目は「40 - 31」 の「71」とし、通算2アンダーは初日18位から19位に後退。2日目を終えて通算14アンダーで首位を独走するジョーダン・スピースとは、前日の7打差から12打差に離れた。残り36ホールでの大きな巻き返しが必要となり、「明日は前半から攻めてチャージかけ、最終日に(優勝の)可能性がある位置まで上げないといけない」とマキロイ。当然、追い詰められた状況は理解している。

<ラウンドリプレー>

「ミスが重なった」という前半は序盤からつまずいた。スタートホールの1番で、バンカーからの2打目をアゴに当ててパーオンに失敗。グリーン左手前から寄せた4mのパーパットはカップ左サイドをかすめ、ボギー発進とした。続く2番(パー5)でバウンスバック(ボギー直後にバーディ)に成功するが、5番、7番と立て続けにボギーを献上。前半で一番痛かったのは9番だった。グリーン左奥からパターで4打を費やし、痛恨のダブルボギー。 前半は4オーバー「40」を叩き、一時は3オーバー56位まで順位を落とし、予選落ちの危機感も漂わせた。

「まずは通算イーブンパーに戻そう」と臨んだ後半。10番では182ydからの2打目をピン右5mに寄せてバーディとすると、13番(パー5)では、同じく182ydからの2打目をピンそば80cmにピタリと寄せるスーパーショットでイーグルを奪う。わずか4ホールで通算イーブンパーに戻すと、3パットボギーとした14番を挟み、15番(パー5)では2オン2パットのバーディ。さらに17番では、グリーン奥からチップインを決めてスタート時の1アンダーに戻すと、最終18番では、ピン左奥から3mの難しい下りスライスラインを沈める連続バーディ締め。後半は「31」と気を吐き、「後半を5アンダーで回れたことに対しては自分を褒めてあげたい」と胸を張った。

<解説者アンディー和田の視点>

マキロイは午後にスタートする時点で、ジョーダン・スピースが記録的なハイペースでスコアを伸ばしていたことに影響を受け、焦っていた。マキロイは前半から“攻めなければ”という気持ちが裏目に出てボギーを連発。5番では奥のピンを狙い過ぎ、一番行ってはいけないグリーン奥にオーバーさせてボギー。7番ではバンカーから寄せることができずボギーを喫した後、8番のティショットは力み過ぎで右のバンカーへ。大事なパー5のチャンスを逃がしてしまう。さらに9番では、2打目を再び攻め過ぎてグリーンオーバー。グリーンエッジからパターを4回使用してダブルボギーを喫し、絶体絶命のピンチに陥ったが、後半は13番のイーグルが効いたのか笑顔も交えるようになり、歩く足取りも軽くなっていた。

ショットに関しては、フェード狙いの2打目が右からの風にしっかり対応できるかが鍵になるように感じる。今日は4番、11番、12番で狙いよりもフェースが被っていて左へのミスが生じていた。パッティングに関しては、切り返しでわずかに緩みプッシュアウトとなる悪癖には要注意だろう。

明日のスタート時間は12時45分。スピースは最終組で14時55分にプレーを開始する。スピースが1番をスタートする時は、ちょうどマキロイが後半へと折り返す時間帯。前半にスコアを大幅に伸ばし大勢のパトロンを引きつけていれば、存在感をアピールできるチャンスとなる。2日目とは逆にスピースを焦らせるようになるムービングデーの展開を期待したい。

【マキロイの第2ラウンドデータ】

・イーグル: 1、バーディ:5、パー:7、ボギー:4、ダブルボギー:1
・パー3:イーブンパー、パー4:3オーバー、パー5:4アンダー
・フェアウェイキープ:14ホール中 10ホール
・パーオン:18ホール中10ホール
・合計パット数 27パット(チップイン1回、1パット8回、3パット 1回)
・バンカー成功率: 50%(2回トライして1パットセーブ1回)
・ドライビングディスタンス 平均291ヤード
(5番 280ヤード/15番 302ヤード)

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