石川遼 ドライバーショットに不満の1アンダー発進
テキサス州のゴルフクラブ・オブ・ヒューストンで開幕した米国男子ツアー「シェル ヒューストンオープン」初日。石川遼は2バーディ、1ボギーの「71」と静かなゴルフで1アンダーの65位タイで発進した。
3年連続の出場となった「マスターズ」出場権をかけたトーナメントの滑り出し。石川の表情はこの日午前の空と同じように曇りがちだった。インから出て3ホール目の12番で残り81ydの2打目をピン左2mにつけてバーディを先行。それ以降は、1Wショットへの不満が募る一方だった。
13番(パー5)では第1打をターゲットよりも、はるか右に打ち出し、隣のホールへ。アイアンで左に引っ掛けた16番(パー3)でボギーを叩いた後、後半1番で2mのフックラインを流し込んでバーディとしたが、暴れるティショットをなかなか制御できない。
折り返しの18番は「1Wを打てば、セカンドは7Iで打てるくらいの距離まで行くのに…」というホールながら、左サイドの巨大な池を警戒して4Wを握るなど、安全策を取らざるを得ない状況にも陥った。
パーオンを逃したのは16番だけだったが、「グリーンに乗せるのが精いっぱいというのが多くて、近いところに乗せられなかった」と、多くのホールでロングパットを打った。1Wでフェアウェイを捕らえたのも、ミスで距離が出なかった17番だけ。結局4つのパー5でひとつもバーディが取れないままフィニッシュした。
2週前の「アーノルド・パーマーインビテーショナル」では1Wショットがまとまり、好スコアにもつなげたが、前週のオープンウィークに「フェード系のボールで安定していたが、自分の目指すところとは違うと思って修正しようとしていた」という。
ストレート、ドロー系のボールの理想を追い、このラウンド中も試行錯誤。「ドローではなく、やはり強いフェード目の球の方がスイング的に歯切れも良く、いいスイングが出ている」と現状を苦々しく分析した。
胸をなで下ろしたのは「アイアンにまで悪い影響が出なかった」こと。まずは予選通過すら霞むような大幅な出遅れは回避した。「ティショットがいいところに打てれば、アイアンでもっと近くに寄せられる」。爆発の可能性を信じて、足早に練習場へと向かった。(テキサス州ヒューストン/桂川洋一)