10ミリオンゲットで引退早まる?バッバ・ワトソン
全4戦で争われる米国男子ツアーのフェデックスカッププレーオフは、最終戦「ツアー選手権byコカ・コーラ」を前に、第3戦までの獲得ポイントがランキング順にリセットされる。この最終戦に進出した30人(今年はランキング30位のダスティン・ジョンソンが欠場)のうちランキング1位から5位までの選手は、大会で優勝すれば、そのまま年間王者のタイトルと、10ミリオンドル(約10億円)のボーナスを獲得できるシステムだ(6位以下の選手は優勝しても、他選手の動向による)。
今年、そのビッグチャンスを手にしているのはトップからクリス・カーク、ビリー・ホーシェル、バッバ・ワトソン、ロリー・マキロイ、ハンター・メイハンの5人。「マスターズ」を含むシーズン2勝を挙げたワトソンも、もちろんこのビッグボーナスゲットへ闘志を燃やしている。
開幕2日前に会見に出席したワトソンは、10ミリオン獲得の場合の使い道について、まずは一部をチャリティに回すことを明言。そして「現役引退も見えてくるね。うちの子供の成長を見守りたい。フェデックスカップ王者になったら、僕の引退は早まるだろう」と、ニヤリと笑った。
今年のプレーオフシリーズは、レギュラーシーズンの最終戦に続き、全4試合も連続で行われた。PGAツアーのティム・フィンチェム・コミッショナーはこの日、この強行スケジュールを来季以降回避したい意向を示したが、ワトソンは「トレーナーがいるから、ラウンドの後にストレッチもマッサージもしてくれる。年を取ってきたけど、体は大丈夫。この試合で勝ったら、9ミリオン(1ミリオンは年金に回される)も家に持って帰れるんだぜ!チャンスがあるから、力もわいてくる」と元気いっぱい。
2週間後に迫った2年に1度のビッグイベント、欧米選抜の対抗戦「ライダーカップ」を前にしても、過剰に意気込む素振りはなく“絶口調”。「ライダーカップへの準備?いつもと違うのはスーツケースの中身だけ。ウエア(統一ユニフォームのため)は用意されているからね。準備しなきゃいけないのは…下着だ。あと靴下。違うのはそれだけ。だってライダーカップもひとつの試合だし、同じゴルフじゃないか。パンツはいくつ持ってくかって?7日分だから…5つ持って行けばいい。2日分は、使ったのを裏返せばいい(笑)」
最終戦の舞台、イーストレイクGCについては「僕には難しいコースだったんだけど、2年前に出場した時に掴むものがあったんだ」と力強い。鼻息荒くビッグドライブを重ねていく。(ジョージア州アトランタ/桂川洋一)