石川遼 初のプレーオフへ出陣「マスターズを目指して」
米国男子ツアーのフェデックスカッププレーオフ第1戦「ザ・バークレイズ」は21日(木)、ニュージャージー州のリッジウッドCCで開幕する。ティオフを翌日に控えた石川遼は20日、当地で午前中に最終調整を終えた。
「やっぱりこっちは華やか。雰囲気も全然違います」。来季シード権を確保したフェデックスポイントランキング上位125位の選手が集結したポストシーズン初戦。下部ツアー選手との“入れ替え戦”行きが決まった1年前を思い起こせば、おのずと自らの成長を実感できた。2007年にスタートした、終盤戦を彩るサバイバルレースを前に「レベルはかなり高い。メジャーみたいな雰囲気があります。毎年ここに出るというのは、自分のモチベーションになりそう」と、本格参戦2年目で辿り着いた舞台に、石川は目を輝かせた。
「全米プロゴルフ選手権」からの3週連続出場となる今週、日本から新しい“武器”が届いた。愛用するグラファイトデザイン社のカーボンシャフトのニューモデル(Tour ADシリーズ・MJ)。さっそくドライバーでテストを繰り返し、いきなり実戦投入する。昨秋から使用してきたモデルは46インチとしていたが、今作は45インチがマッチ。短くしても、ショット測定器の飛距離やスピン量がほぼ同じ数字を記録。1インチの違いは大きく「45インチの方が、かなりスイングプレーンが安定すると思った。アイアンにも近いイメージで打てる」とシャープに振り切れるという。
プレーオフ全4試合を戦い抜き、年間王者に辿り着いた選手には“10ミリオンドル”(約10億円)がボーナスとして支給。途方もない額については「実感はないでしょうね。誰かと勝負して、その場でチョコレートもらった方が実感あります」と笑う。「10億円もらうためには、勝たないといけない。勝つことの方が僕はうれしい」
目下一番のターゲットは来年度の「マスターズ」、「全米オープン」、「全英オープン」の出場権を獲得できる最終戦出場(第3戦を終えてランキング上位30人)を果たすこと。「やはりマスターズ目指して(夏場の北海道)合宿もやった」。
既に第2戦までの出場は確実だが「とにかくまずは3試合目に出ることを決めたい。今週か来週、トップ5に入れたら、最終戦にも近づける。かなりこの2試合が大事」と大きく息を吸い込んだ。(ニュージャージー州パラマス/桂川洋一)