昨年とは「全然違う」 石川遼の視線はプレーオフへ
米国男子ツアーのレギュラーシーズン最終戦「ウィンダム選手権」は14日(木)、ノースカロライナ州のセッジフィールドCCで開幕。石川遼は2年連続の出場となる。昨年は26位にとどまった結果、今季のシード権を獲得するには至らず、下部ツアー選手との入れ替え戦に回ることが決まった。すでに来季のシード権を確実にしている今年は、次週スタートする初参戦のフェデックスカッププレーオフを見据えている。
ティオフ前日、コースの練習場で調整を終えた石川は、ちょうど1年前の心境とは「全然違いますよね」と笑った。もちろん中盤戦以降は優勝争いに加われていない現状に悔しさも募らせながら「去年の今頃は、今後PGAツアーでやれるか分からなかったけれど、今年は来年もできることが決まっている。小さな一歩かもしれないけれど、すごく大事な一歩。着実に一歩進んできた」と、その歩みの大きさを噛みしめている。
前半戦でポイントを荒稼ぎした甲斐あって、フェデックスカップランクは73位。次週の「ザ・バークレイズ」で初戦を迎える全4戦のプレーオフは、それぞれの試合終了時の積算ポイントにより、選手がふるい落とされていくサバイバルレースだ。
石川が目下ターゲットに設定するのが、上位70人が参戦できる第3戦「BMW選手権」出場。同大会終了時に30位以内に食い込み、最終戦「ザ・ツアー選手権」へコマを進めれば、例年では翌年度の「マスターズ」、「全米オープン」出場権獲得に至る。「どういう展開になるか分からないが、個人的には3戦目にしっかり出て、最終戦のツアーチャンピオンシップを目指せるようにしたい。かなり難しいことだと思うけれど、頑張りたい」
飛躍へのカギとなる今大会は「今週はティショットで刻まされるホールは少ないが、逃げようと思えば逃げられる。ただ、これからの自分を考えると、ドライバーでアドバンテージを取るプレーをしたい」と、夏場に取り組んできたアグレッシブにピンを攻めるスタイルで臨む考え。7月の「長嶋茂雄 INVITATIONAL セガサミーカップ」で国内ツアー2年ぶりの勝利を飾ったが、その後に出場したメジャー2戦ではいずれも予選落ち。今週こそは弾みをつける一週間としたい。(ノースカロライナ州グリーンズボロ/桂川洋一)