2014年 トラベラーズ選手権

K.ストリールマン、娘を思い浮かべて7連続バーディの逆転劇

2014/06/23 19:00
逆転劇に一役買った愛娘を抱いて表彰式に現れたK.ストリールマン

米国男子ツアー「トラベラーズ選手権」の最終日、9アンダー7位タイから出たケビン・ストリールマンが、後半12番から最終18番まで、7連続バーディを奪う猛チャージで逆転。昨年の「タンパ ベイ選手権」以来となるツアー通算2勝目を果たした。

前半は7番で2つ目のボギーをたたき首位との差は6打まで広がっていた。そして9番、3メートルのバーディパットを決めたところから大逆転の軌跡は始まっていた。「10番でいいパーパット(1.7メートル)が決められた。今日のピン位置なら難しい15番も17番もドライバーショット次第でバーディが獲れると思った。だから、後半は29で回ろうと思ったんだ」。

10番、11番と1パットのパーで切り抜けると、12番で2メートルを沈めてスタート時の9アンダーに戻した。13番も1.5メートルとショットをピンに絡めてバーディを続けると、14番は6メートル、15番は4メートル、パッティングでバーディを繋げた。

この日もっとも長いバーディパットは16番パー3だった。グリーンの左奥、ピンまでは下りで大きく右に曲がる11メートルを読み切って、この時点で13アンダーまで伸ばし首位に並んだ。

勢いは衰えを知らず、17番は「ピン位置を見たときに感じた通り」のショットでピン1メートルにぴたりとつけてバーディ。そして最終18番、フェアウェイセンターからの2打目はピンの手前3メートルについた。上りのバーディパットを決めたストリールマンは優勝を確信し力強いガッツポーズを決めた。

9番から始まった1パットは最終18番まで実に10連続となった。「新しいインストラクターに出会った。ダレン・メイから非常に良いアドバイスをもらった」。ゴルフの技術的な変更も行ったが、終盤の勢いにはもっとも力強い味方がついていた。

「実は、最後の2、3パットは娘のことを考えていたんだ。その状態でパットが決まれば最高だし、そうでない場合でも同じさ。どっちに転がっても、娘は僕のことを愛してくれるだろう」。

この日は、昨年3月のツアー初勝利時にはまだ誕生していなかった愛娘ソフィーちゃんが、コース脇で母親の胸に抱かれ、18ホール父親のプレーを見守っていた。女神が呼び寄せた、勝利への7連続バーディだったかもしれない。(コネチカット州ハートフォード/本橋英治)

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