2014年 RBCヘリテージ

「普通」という言葉に滲む、松山英樹の苦境

2014/04/17 07:02
大きな期待とそれに応えられないもどかしさ。松山英樹の正念場とも言えるだろう

明日からサウスカロライナ州にあるハーバータウンGLで開幕する米国男子ツアー「RBCヘリテージ」だが、大会前日の松山英樹の表情は決して明るいものではない。

昨年、プロ転向後の米国男子ツアーで出場した6試合はすべて21位以内。メジャーでも2試合続けてトップ10に入ったが、今年の直近3試合は棄権、34位タイ、予選落ち。左手のテーピングが取れることはなく、その兆しもまだ見えていない。

焦りを口にすることはないが、逆に強気の言葉も影を潜めている。手首の状態は「普通」。ショットの感触も「普通」。練習ではシャフトの違う3番アイアンをはじめ、いくつかのクラブを試したが「なんでやっているんですかね。考えてみます」と歯切れも悪い。

最大の目標としたオーガスタでは週末にプレーが出来ず、満を持して臨んだ米ツアー本格参戦1年目はすでにシーズン半ばを迎えている。「別に半分という感じもしないし、今年はあまり出ていないのでなんとも言えない」。シード権をほぼ確定させるフェデックスカップポイント480点が、せめてもの慰めか。

昨年の日本ツアー賞金王は、国内開幕を迎えた日本のファンにコメントした。「開幕戦に出られないのは残念だけど、こっちのPGAツアーでやると決めたので・・・。(日本で)何試合出られるか分からないですが、皆さんの前でプレーしているところを見せられたらいいと思う」。苦境に立つ松山を支えることができるのは、なによりファンの人たちの応援だろう。(サウスカロライナ州ヒルトンヘッド/今岡涼太)

2014年 RBCヘリテージ