松山英樹、43年ぶりの孤軍奮闘
2014/04/09 09:24
10日(木)にジョージア州にあるオーガスタナショナルGCで開幕する米メジャー初戦「マスターズ」に出場する松山英樹が、火曜日に同コースで練習ラウンドを行った。
10時に行われた公式記者会見後、11時10分にゴンサロ・フェルナンデスカスターニョ(スペイン)との2サムで1番からティオフ。打ち下ろしの6番(パー3)ではティショットをピンそば50センチにつけるなど好ショットを織り交ぜながらラウンドし、9番を終えた時点で練習を切り上げた。
昨日は雨のために練習ラウンドが出来なかった。心配されるのは調整不足と、怪我を抱える左手の具合。「18ホール行こうと思っていたけど、明日もある。もうちょっとしっかりした調整ができれば良かったけど、明後日から始まるのでしっかりとベストの状態に持っていきたい」。松山の言葉にも、思う存分プレーできないもどかしさが滲み出ていた。
左手の具合を問われれば、「別に大丈夫」とつっぱねて、決して自ら痛いとは口にしない。万全ならば18ホール行きたかったのかと重ねて聞くと、「気が向かなかったということで」とはぐらかす。勝負の前に弱みをさらけ出しては、戦う前から白旗を揚げているようなもの。勝負師の心意気が見え隠れした。
今年の「マスターズ」に出場する日本人は松山ただ一人。過去2年は特別招待があったとはいえ、これは1971年の河野高明以来、実に43年ぶりの緊急事態だ。松山一人の双肩に掛かる期待は小さくない。「そこを求めてやっている。結果は結果に過ぎないけど、結果を求めて練習することが大事だと思う」。少ない言葉の中に、複雑な胸中がうかがえた。(ジョージア州オーガスタ/今岡涼太)