「出たい気持ちはあるけど…」石川遼の視線はマスターズの先へ
米国男子ツアー「バレロテキサスオープン」は27日(木)、テキサス州TPCサンアントニオで開幕する。開幕前日の水曜日、プロアマ戦に出場機会のなかった石川遼は、昼過ぎにコースを訪れ、冷たい風が吹く中で、練習場で最終調整を行った。
前週の「アーノルド・パーマーインビテーショナル」で8位タイに入った石川は、日曜日のうちにフロリダ州から移動し、月曜日は休養にあてた。翌火曜日はアウト9ホールをラウンドし、イン9ホールはウェッジとパターのみでコースチェック。初出場となる今大会だが、5連戦目となることを考慮し体調回復を優先させた形だ。
「月、火と練習を少なめにして、やっと水曜日になって体力的には戻ってきた。体調が良ければスイングもそこまで悪くはならないし、優勝争いに加わっていきたい」と石川。
2週間後に迫った今季メジャー初戦「マスターズ」の出場権を持たない石川は、今週を含む残り2試合での優勝がオーガスタへと続く唯一の道。だが、優勝への強い思いは「残念ながらない」という。「先週次第でこの試合で2位とか3位に入れば…という可能性はあったけど、そうできなかったのが今の実力。初めてのコースで優勝を狙えるかといえば、技術的には追いついていない。(マスターズに)出たい気持ちはあるけど、いたってフラット」と、気持ちはその先を向いている。
この日は練習場で、“まな板”大の木の板に球を置いてアプローチしたり、ペットボトルの上にティを据えて、シャフトを短くカットしたドライバーで打ったりと、独自練習を繰り返した。
コーチを常に帯同させているわけではない石川は、「本当に自分が分かっていないと意味がないし、スイングコーチはつけないと思う」と、自身の感覚を優先している。「練習中は自分の中で対話している感じですね」と、コーチとプレーヤーの一人二役をこなしながら、世界最高峰の舞台を戦っている。(テキサス州サンアントニオ/今岡涼太)