ショット復調に「スッキリした」 石川遼は65位で最終日へ
フロリダ州のイニスブルックリゾートで開催中の米国男子ツアー「バルスパー選手権」3日目。3オーバーの64位タイから出た石川遼は3バーディ、2ボギー、1ダブルボギーの「72」(パー71)で回り、通算4オーバーの65位タイで最終日を迎えることになった。
ダレン・クラーク(北アイルランド)との和やかムードのツーサムプレーは、終始スムースに進み、ホールアウトに要した時間はわずか3時間45分。だが石川はその短いプレーを終えると「今日は本当に嬉しいです」と充実感たっぷりに語った。
3日間で初めて見せた笑顔の理由はショットの復調。出だしの1番から2メートルのバーディチャンスを逃すなど「グリーンが硬かったが、遅くて、スピードを合わせるのに苦労した」とパットに苦しみ、スコア自体は伸ばせない。5番(パー5)で左セミラフからの第3打を1メートルにつけてようやく最初のバーディを決めたが、8番からの2連続ボギーはいずれもグリーンのスピードを把握できず、アプローチでショートするミスが続いた。
しかし「手応え?無いですね」と悔やんだ前日ラウンド後の居残り練習で、掴むものがあったという。
「昨日の練習での出来が良くて『このまま寝ずに練習して、感覚を消したくない』と思ったくらい。一回寝て、(感覚が)消えちゃうのがすごく嫌だったから。忘れないように、(スイング中に)どういう景色が見えて、体のどこが張って、どこが捻じれているかをずっと考えていた。今日の朝の練習でできていたので、スッキリした」
13番(パー3)のティショットは7番アイアンで力の無いボールが右へ飛び出し、無惨に池に落ちてダブルボギーを叩いた。しかし2ホール後、同じフェードボールを要求された15番(パー3)で修正を施し、6番アイアンで鋭いティショット。「(13番で)『あ、分かった』という感じがした。『これをやってはいけない』というのがはっきりした。一番ボールが飛ぶ位置で、インパクトできているかどうか。すべてはタイミング」。
この日は結局2メートル以上のバーディパットは一度も決まらずに、順位を大幅に上げることには失敗した。しかし84人が予選を通過した今大会は、この日79位以下に沈めば最終日の出場選手制限(MDF)により、明日のラウンドに進めなかったが、それも免れた。
「今日やれて本当に良かった」。綱渡りではあるが、なんとか辿り着いた日曜日。掴んだ手応えを大きくしたい。(フロリダ州タンパ/桂川洋一)