松山英樹はフロリダ初参戦 ニクラスの罠と勝負
米国男子ツアーの「ホンダクラシック」は27日(木)から4日間、フロリダ州のPGAナショナルで行われる。松山英樹は開幕前日のプロアマ戦のメンバーには入らず、正午前から会場内の練習場で最終調整した。
米ツアーでは自身初となるフロリダでの戦いに臨む松山は連日、強い日差しを浴びながらクラブを振った。「暑いですね。湿度も高いし。バテバテっす」と大汗をぬぐいながら、ショット、アプローチ、パットとそれぞれを入念に練習。26日(水)には、昨年、目をかけられた欧州の名コーチ、ピート・コーウェン氏に直接指導を受け「自分がやっていることは間違っていなかったと思えた」と話した。
ジャック・ニクラスが改修を手掛けたPGAナショナル・チャンピオンコースの名物は15番(パー3)、16番(パー4)、17番(パー3)の連続3ホール。ニクラスの愛称ゴールデン・ベアに由来して通称“ベアトラップ”とされる。いずれもティからフェアウェイの右サイドに大きな池が絡む終盤の勝負どころだ。
難度の高さはPGAツアーのデータが証明。2007年以降の記録によれば、この3ホールでの対パーの平均は+0.707で、連続する3ホールのスコアとしてはツアーで4番目に悪い数字。15番ホールでは、昨年大会は4日間を通じて48もの“池ポチャ”があった。
それでも松山が、過去の数字に動じることはない。強風が大きく行方を左右するホールの連続ではあるが「(練習ラウンドでインコースは)1回しか回ってないんで、風は分かんない。試合になったら、また1日1日違う。それに合わせられるように頑張りたい」と淡々。
フェデックスカップポイントを446点まで積み上げ、来季のシード権獲得もほぼ確実にした状況。前週の「WGCアクセンチュアマッチプレー選手権」を終えた時点では「これでちょっとは余裕を持ってできる」と話してはいたが、いざ次の戦いを迎えるとなると「(心境は)変わらないですね」
「シードは見えてきましたけど、そこだけが目標じゃない。まずは自信を持てる状況にしないと。1試合、1試合、頑張って、自分が自信を持って試合に臨めるようになればいいかなと思う」。目標のひとつには、もちろんツアー1勝がある。(フロリダ州ウエストパームビーチ/桂川洋一)
<参考>
【PGAツアーで連続する3ホールが最も難しいコースは?】(いずれも対パー、2007年以降)
1.クエールホロークラブ(16―17―18番)+0.886
2.オーガスタナショナルGC(10―11―12番)+0.806
3.オーガスタナショナルGC(9―10―11番)+0.738
4.PGAナショナル(15―16―17番)+0.707
5.ペブルビーチGC(8―9―10番)+0.690