石川遼、“底上げ”を感じて今年の米ツアーを終了
中国・上海にあるシェーシャンGCで開催された「WGC HSBCチャンピオンズ」の最終日、通算5オーバーからスタートした石川遼は、4バーディ1ボギーの「69」とスコアを伸ばして通算2オーバーの66位タイでフィニッシュ。3日間ボギーを叩いた最終9番では、ティショットをバンカーに入れるも、ラフから寄せワンのパーで締めくくり、充実した笑顔を見せた。
「ほんのちょっとずつ、スイングは良くなっている」と石川の表情も沈んでいない。「納得できるスイングは少ないけど、球はまっすぐ行っている」と、「81」と崩れた初日から、この3日間でアンダーパーをマークできる状態までは戻してきた。世界ゴルフ選手権というハイレベルの舞台で、「すごく自信を持てる状態ではない」というゴルフながら、初日以降はオーバーパーを打たなかったことに、「底上げがされている」と新たな手応えも感じていた。
優勝したダスティン・ジョンソンのスコアは4日間で24アンダー。石川はビッグスコアの秘訣を「いかに早くコースに慣れるか」だと分析する。火曜日、水曜日の時点では硬かったグリーンだが、試合に入ると徐々に軟らかくなってきた。その変化に気付き、即座に対応するのが、トップレベルの選手だという。今週の石川は、スイングの完成度が低く、その争いに加わることはできなかったが、「久しぶりにオーバーパーを打ったのが今週で残念。でも、悪いものが出切ったと思って、ここから頑張りたい」と前を向いた。
次週からは「HEIWA・PGM CHAMPIONSHIP in 霞ヶ浦」、「三井住友VISA太平洋マスターズ」と日本ツアーに参戦。その後はオーストラリアでの「ワールドカップ」に出場し、ホストプロとして参戦する「カシオワールドオープンゴルフトーナメント」で再び日本に戻ってくる。
前回日本ツアーに参戦した6月の「日本ゴルフツアー選手権 Shishido Hills」は、米ツアーシーズンまっさかりでの一時帰国。だが、今年の米ツアー出場は今週で最後とし、「時差ボケもないし、良い状態でやれると思います」と、気分もあらたに日本へと戦いの舞台を移す。日本での3試合は、最終戦の「ゴルフ日本シリーズJTカップ」出場への道でもある。「優勝を目指してやって、3試合とも優勝争いに入れればおのずと結果はついてくる。目標はそこですね」。米ツアーで揉まれた石川が、その成長を日本のギャラリーの前で披露する。(中国・上海/今岡涼太)