石川遼、中国ジュニアゴルファーにあわや・・・
中国・上海にあるシェーシャンGCで行われる世界ゴルフ選手権シリーズ「WGC HSBCチャンピオンズ」の開幕前日、石川遼はプロアマ戦に出場して最後の調整を行った。というよりも、開幕が1日早まったといえるかもしれない。
この日、石川が一緒にラウンドしたのは、会場であるシェーシャンGCでゴルフを習うジュニアたち。ケビン・ウー(13歳)、アンディ・ファン(13歳)という男の子と、ダファン・チャオ(12歳)という女の子。
「ジュニアレッスンのようだね?」と声を掛けると、「レッスンじゃなくて、試合だよ」と石川。聞けば、黄色いシャツをきたケビンは、白ティから回って前半は3アンダー。石川の1アンダーを上回るスコアを叩き出していた。「あの年で、考えられない」と石川も脱帽のプレー内容だ。
それもそのはず、7歳半からゴルフを始めたというケビンは、ここシェーシャンGCのシニアも含めたクラブチャンピオン。「彼(石川)をやっつけようとしているよ」と、彼らを指導するロビー・シャーウィン氏が教えてくれた。
ちなみに、このコースでレッスンを受けるのに、彼らは100時間で7万元(約100万円/年間)という料金を払っている。1時間700元(約1万円)とは決して安い金額ではない。コース近くに住み、インターナショナルスクールに通っている彼らは英語も理解する。子供たちについて歩く親たちが、中国語しか話さないのとは対照的だ。ケビンに憧れのゴルファーを訪ねると、「そうだなぁ、アダム・スコットとタイガー・ウッズかな」と教えてくれた。
「試合じゃないし、練習でもないし、かなり難しかった」とこの日のラウンドを苦笑いで振り返った石川。「火曜日に比べて、今日はグリーンが軟らかくなっていた。それが分かったのは大きい」と久々のプロアマ戦で収穫も得た。かろうじてアマチュアのスコアを上回ってプロの面目を保つことはできた石川だが、中国ジュニアの台頭には一瞬ヒヤリとしたに違いない。(中国・上海/今岡涼太)