2013年 全米オープン

今年も崖っぷちから 藤田寛之は4年連続「全米オープン」出場決定

2013/05/27 19:14
最終ホールでバーディを決めプレーオフに。藤田は「ここぞ」の強さを見せた

6月13日(木)に開幕する海外メジャー今季第2戦「全米オープン」の日本地区最終予選が27日(月)、茨城県の大利根カントリークラブで行われ、松山英樹ハン・ジュンゴン(韓国)、上田諭尉塚田好宣、そして藤田寛之が本戦出場権を手にした。

通算1アンダーで最終9番、この日の36ホール目を迎えた藤田は、最後に持ち前の粘り強さを発揮した。出場権が付与される5枠のうち松山、ハン、上田の上位3人は既に出場が決定的。通算2アンダーの4位タイで小林正則、そして塚田が並んで先にホールアウト。それでも昨年度の賞金王は諦めなかった。「7番で1メートルのパーパットを外して、8番ではバーディパットがカップにけられた。イーグルしかないかな…と思ってプレーした」。

この最後のパー5。左ラフを渡り歩いて迎えたグリーン手前からの第3打をピン手前2メートルにつける。そして普段と同じリズムでバーディパットを沈め、土壇場で追いついた。

すると37ホール目の“延長戦”も盤石のプレーを披露。きっちりとフェアウェイキープ、パーオンからパーセーブすると、ボギーとした小林が脱落。4大会連続となる全米オープン出場を決めた。

昨年、レイク浜松CCで行われた同予選でも最終ホールで13メートルのバーディパットを沈めてプレーオフに滑り込み、切符をもぎ取った。今年の「マスターズ」では年明け直後の故障の影響を受け、最下位で予選落ちと屈辱を味わったが、たくましさは衰えない。「世界一位過酷な大会で、ゴルファーのすべてに出場する権利がある全米オープン。自分自身も、目標としてきた場所。全米オープンの難しさが分かり始めてきたところ。出て喜んでいた時とは違う」と早くも視線を大舞台に向けた。

なお、藤田は6月10日(月)付のランキングで60位以内に入ると、この予選会のカテゴリーとは別枠で出場することに。全米ゴルフ協会(USGA)によれば、その場合、今回のプレーオフに敗れた小林に全米切符が繰り下がる。今週、ディフェンディングチャンピオンとして迎える30日(木)開幕の国内男子ツアー「ダイヤモンドカップゴルフ」(大洗GC)での活躍に、注目が集まるところだ。(茨城県坂東市/桂川洋一)

2013年 全米オープン