タイガーは7位タイ 2ペナも優勝争いに踏みとどまる

36ホールを終えた時点で3アンダー、トップとは3打差だったタイガー・ウッズは前日15番ホールでのウォーターハザードからのドロップ処置に問題があり、朝8時にコースに訪れた。競技運営委員会との協議の末、プレーを始める前に「誤所からのプレー」として2ストロークペナルティが課され、15番のボギーがトリプルボギーとなり143ストローク、1アンダーでプレーを始めた。

前半で2バーディ、2ボギーとイーブンパーでターンしたタイガーは11番でボギーとしてしまうが、その後3つバーディを奪う事に成功。3日目は2アンダー、トータル3アンダーとスコアを伸ばしたタイガーは、7アンダーの首位グループ（B.スネデカーとA.カブレラ）と4打差の7位タイで明日最終日を開始する。

スタートホールで2打目をピタリとピン傍に寄せてバーディを奪ったタイガーは4番パー3でボギー。3日目はバンカー越えの右奥のピンまで231ヤード設定。タイガーの球はグリーン上で止まらずに左奥まで進み、難しいアプローチを残してしまう。ここからパーを拾うことができずにボギー。7番では3番ウッドを選択したティショットを左に引っかけてしまい、セカンドカット（セミラフ）に行ってしまう。見事な高い球を放ちピン奥2メートルに寄せる素晴らしいショットを放ったタイガーは、下りの2.5メートルを慎重に沈めてバーディ。続く8番パー5では80cmがカップに蹴られてバーディチャンスを逃がしてしまう。

その後9番、11番とボギーを重ねて、リーダーボード1枚目、トップグループから名前が消えてしまうが、12番、13番、15番と4ホールで3つバーディを奪った。中でも15番では残り211ヤードを5番アイアンでピンに一直線。 4メートルのパットはカップの手前で左に切れてしまいイーグルを奪取することができなかったが、3日目は5個目のバーディで通算3アンダーとし、優勝争いに残った。

3日目はパーオンが11回とグリーンを外したホールが多かったが16番、17番でのバンカーセーブを含め今週は100%（5回中5回とも1パットセーブ）で凌いだ。そして最終18番では3番ウッドでのティショットを左に曲げてしまいトラブル。2打目はグリーンまで届く事ができずにピンチに見えたがしっかりと4メートルのパーパットをねじ込んだ。

明日最終日、タイガーは南アフリカ出身のティム・クラークと一緒に最終組の3つ前でプレー。最低でも3日目と同じように5つのバーディが必要になるだろう。今週は例年よりもセカンドカット（セミラフ）の密集度が多く、ボールをコントロールするのが難しい。今週から新しく投入している赤色の3番ウッドは左ドッグレッグで上手く打てているようだが、大事な17番、18番でしっかりとフェアウェイを捕らえることができないとバーディルートは見つからないだろう。また、グリーンの硬さと速さは明日の最終日が一番のピークとなるはず。優勝ラインは8アンダー、7アンダーでプレーオフになるかどうか・・・。

ルール委員会会長のフレッド・リドリー氏の記者会見では、ルール規則33条7項を適用し、今回は2打のペナルティを課すことに。大会から失格という処置は取らないということを伝えた、と説明していた。

ゴルフは自己申告を重んじるということで、競技委員会での裁定には関係なく誤った処置を犯してしまった上に、スコアカードを提出したということで自身を失格にする、又は棄権をするべきだ・・・という声が、タイガーがプレーをする前から多くの専門家、ニック・ファルドを始め数人の解説者が揃ったように意見を発言していた。

私個人的な見解としては、競技委員会がタイガーが2日目プレーを終了した時点ですべての事実関係、タイガーがどのような意図を持っていたかを聞かないでタイガーに「問題がなかった」と最終決断を下し、その旨を伝えたしまった時点で委員会の方に落ち度があったように考える。

アンディー和田（ゴルフチャンネル解説者／ゴルフネットワークにて欧州ツアー解説を担当）

★ラウンド データ
70（2アンダー）
前半 36（イーブンパー）
後半 34（2アンダー）

・バーディ： 5ホール
・パー： 10ホール
・ボギー： 3ホール

・パー3： 通算イーブンパー
・パー4： 通算イーブンパー
・パー5： 通算 2アンダー

・フェアウェイキープ率： 42.86% （14ホール中 6ホール）
・パーオン率： 61.11% （18ホール中 11ホール）
・グリーンサイドのバンカーからの1パット率 100%（3回トライ、1パットセーブ 3回）
・合計パット数： 28パット
・ドライビングディスタンス 2ホール平均 299.00ヤード
（計測 5番ホール 286ヤード / 15番ホール 312ヤード ）