2013年 マスターズ

藤田寛之 痛恨のトリプルボギーで出遅れ

2013/04/12 09:50
87位と出遅れた藤田寛之。手負いの身で迎えるには、オーガスタはあまりに強大過ぎたか。(David Cannon/Getty Images)

ジョージア州のオーガスタナショナルGCで開幕した「マスターズ」初日。藤田寛之が7-バーの87位タイと大きく出遅れた。

2年ぶりの夢舞台は、厳しい現実を容赦なく突きつけてきた。上位陣がバーディを連発し、好スコアがリーダーボードをにぎわせた第1ラウンド。藤田は前半6番までに2ボギーを叩いたものの、2.5メートルを沈めた10番など見事なパーセーブも重ねていた。

しかしアーメンコーナーの最終ホール、13番(パー5)。ティショットを引っ掛け、左サイドのクリークに打ち込んでしまう。さらに打ち直しの3打目も、上空にせり出した枝を警戒し低いボールでレイアップを狙ったが、これもまたクリークへ落とした。両手を膝につけ、唇をかむ。「少しダフってしまった。『そうならなければいいな・・・』と思いながら打ったが・・・」。痛恨のトリプルボギーでさらに後退。その後さらに2つスコアを落として、初日を終えた。

「打ちのめされた」。ホールアウト直後の第一声に、悔しさがこもる。右肋骨の疲労骨折の影響で、レギュラーツアーの出場は2月の「WGCアクセンチュアマッチプレー選手権」以来だった。実戦感覚の欠如。「そのあたりは無いとは言えない。(調整は)自分の中でベストは尽くしてきたけれど・・・」。

「コースから来る威圧感に完全に負けた。上手くいっている間は、そういう部分は感じないが、大きなミスショットが出始めると、ここはフェアウェイからでも簡単にボギーを打ってしまう」。小さな傷が、途端に取り返しのつかないほどの故障へと変わってしまうオーガスタ。出場93選手中87位タイは、無念の思いだけが募った。

予選カットラインは50位タイまで(もしくは、トップから10打差以内)。巻き返しは厳しい状況となったが、「可能な限りバーディを獲っていきたい。一つ一つ」と気丈に語ってコースを後にした。(ジョージア州オーガスタ/桂川洋一)

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