2013年 マスターズ

賞金王・藤田寛之が出陣「非常に落ち着いている」

2013/04/11 10:05
16番パー3で水切りショットに成功した藤田と石川は笑顔でハイタッチ!

今季の海外メジャー「マスターズ」は11日(木)、ジョージア州のオーガスタナショナルGCで開幕する。1月中旬に右肋骨を疲労骨折した藤田寛之は、復帰後の初戦で2年ぶりの大一番に臨む。

開幕前日、最後の練習ラウンドの見せ場は池越えの16番(パー3)だった。石川遼とともに、まずは本番を想定した第1打でピン奥1メートルにつけるショットを見せると、パトロンからはおなじみの「スキップ!スキップ!」のリクエストが。恒例の水切りショットに挑戦すると、2人のボールは水面を跳ね続け、どちらも見事にグリーンオンに成功。拍手喝さいを浴びながら、ハイタッチを交わした。

故障による離脱から、練習に球数制限を設けなくなったのが先週のこと。2月下旬の「WGCアクセンチュアマッチプレー選手権」以降、藤田が最後に出場した試合は、2日間のミニツアーだけだった。痛みはプレーに支障がないほどに軽減されたが、ショットの状態は決して良くはない。「楽しみでもあるが、実戦機会も少なく、正直なところ不安もある。自分のスイングのイメージと体の動きにギャップがある」。

前日9日(火)には練習ラウンド後は師匠の芹沢信雄から約1時間半の直接指導を受けるなど、“準備万端”とはいかない。宿舎では少ない時間でイメージトレーニングを繰り返す。この日の朝、目を覚ますと、隣にはコースメモがあった。

とはいえ、夢見心地で戦った2011年に比べ「2回目ということで非常に落ち着いている。場数を踏んだら、踏んだだけ慣れる。気持ちが楽な自分がいます」とも言う。「けがもあって、過度な期待は自分にかけていない」。高い理想を追いながら、自分のプレーを厳しく評価するのは、いつものことだ。

「アクセルを強く踏み過ぎると、カーブは上手く回れない。ちゃんと頭を使って、ブレーキとアクセルを踏み間違わないようにしたい。自分のプレーができれば、自然と4日間はプレーできる」。数々の罠が仕掛けられているオーガスタ。攻めどころと、守りどころの見極めが、普段以上に重要になることは百も承知だ。これまで何度も難所を乗り越えてきた日本ツアーの賞金王。ぶっつけ本番、崖っぷちでの戦いに、自らの真価を問う。(ジョージア州オーガスタ/桂川洋一)

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