米国男子ツアー

今日のタイガー/戻りつつあるショットの切れ。2日目、5位タイに浮上!!

2003/06/14 09:00

全米オープン2日目

午後12時30分 昨日と同じ E・エル スとアマチュアの R・バーンズと一緒の組で 1番ホールからスタートした。昨日より気温は少し上がったが 例年よりは低い19度前後、風は北東の風が吹くラウンドとなった。

25位タイ、イーブンパーでスタートしたタイガー・ウッズ、2日目は 6バーディ、2ボギー。4アンダーの66でホールアウト、リーダーボードに名前を載せてきた。

3番ウッドで打ったティショットが好調で、フェアウエーを捕らえたのは14ホール中10回(71.4%)。パーオンのデータは55.5%と昨日の77.8%よりも下がったが、データの数字より内容ははるかに濃かった。グリーンエッジからの寄せが4回あったうえ、純粋にバーディチャンスと考えられる6メートル以内のパットが昨日より多く、切れのいいアイアンショットが続いた。なお、パット数は25だった。

今日のタイガーは昨日の険しい表情とは対照的にスタート前から表情、歩き方に余裕があるように感じられた。 タイガーならではのスーパーショットを 随所に披露し、引き連れていた多くのギャラリーを酔わせた。

圧巻だったのは6番のパー5、残り247ヤードからの2打目。右ラフ、木の後方から3番ウッドで約40ヤード右に曲がるスライスショットを放ち、ピンに絡めイーグルチャンスをよんだ。「練習ラウンドでも同じ球を打ったから自信はあった」とサラッと語っていたタイガーだったが、パワーとボールコントロール、両方を備えた歴史に残る1ショットとなった。

玄人好みのショットは 9番の2打目だろう。496ヤードのパー4、今日のピンは右の奥、段の上。ミドルアイアンで放ったタイガーの2打目は、他の選手が絶対打てないような高弾道。この高難度のピンに対しピタっと止めてきた。

今日のタイガーは切れがあった。そして、運もあった。 4番ホールでの18メートルをねじ込んだバーディパットは50回打って1回入るかどうかというパットだった。9番と18番のティショットはクロスバンカーをぎりぎりで越え、グッドキックでフェアウエアーに転がった。華やかなスーパーショットもあったが、グリーン回りの寄せの技術もすばらしく、8番と17番ではボギー必至の状況からパーを拾った。

例年よりも短めのラフ、柔らかいグリーンは全米オープンらしからぬ好スコアーを続出させている。ウインディーシティー(風の吹く町)と呼ばれるシカゴで、通常夏に吹く南西の風ではなく逆に北東の風が吹いている。そのおかげで距離の長い9番、17番、18番をフォローとなっており、難易度を下げてくれている。しかし、気温が上がると予想されている週末、グリーンが乾き通常の南西の強風が吹くとコースセッティングの難しさが増してくるはずだ。最終的に優勝争いのラインは2桁には行かないと私は予想している。

テキスト/アンディー和田
1968年11月 東京出身、アリゾナ大学卒業(チームメイトには ジム・フューリッククリスチャン・ペーニャロバート・ガメス)、1991年プロ転向、アジアツアー、カナダツアー、南米ツアー などを経験、1998年シンガポール キャリアー オープン優勝。 青木功中嶋常幸、大町昭義、芹澤信夫、加瀬秀樹横尾要海老原清治など ツアーキャディーの経験や 2000年から3年間 ゴルフチャンネルのトーナメント解説で ライダーカップ、ヨーロピアンツアー、女子ツアー、ネイションワイドツアーを担当。