石川遼、米ツアー本格参戦初戦にも「特別な感情はない」
石川遼が17日(木)に開幕する米国男子ツアー「ヒュマナチャレンジ クリントンファウンデーション」で今季初戦を戦う。ツアーメンバーとして臨む本格参戦初年度のデビュートーナメント。それでも本人はいたって冷静に節目の一戦を迎えている。
前週10日(木)に日本を発った石川はその後、カリフォルニア州の現地で調整を開始した。今大会は予選となる初日から3日目まで、異なる3つのコースを使用。14日(月)にまでにラ・キンタCC、PGAウェスト・ニクラスコース、そして決勝ラウンドの舞台にもなるPGAウェスト・パーマーコースでのチェックを終え、準備を整えた。
プロ6年目にして、いよいよ米ツアーの一員に。しかしスポット参戦を続けた昨季までの経験も影響してか「特別な感情はない」と言う。とりわけこの大会は、予選3日間で毎日コースが違ううえに、1組にプロ2人、アマチュア2人が入るプロアマ混合競技。慣れないフォーマットとあって「初戦という意識よりも、この試合に出るのが初めてという思いが強い。ワナもたくさんある。慎重になるところは、慎重にやっていかないと」と表情は引き締まる。
11日(金)には5年連続の「マスターズ」出場が早々に決まった。しかし2009年、そして昨年に続く3度目の特別招待という異例の形でのチケットに「それを聞いた時には疑問符が先についた。そのくらい自信をもって昨シーズンを終えたわけではなかった。自分よりも世界ランクが高くて、特別招待されておかしくない選手はたくさんいる」と言葉からは複雑さがあふれ出た。「大変光栄なことではあるけれど、今までの目標通り、他のカテゴリーで出られるように頑張りたい」。シーズンを通じた最低限の目標は来季のシード権確保となるが、夢舞台直前までのターゲットは昨年同様、ツアー制覇および3月末での世界ランキング50位以内の確保となる。
キャロウェイとの用具契約により、ギアは一新。同社担当者によれば、それぞれのクラブに対し現在のところ特別なオーダーはほとんど無い状態ながら、石川は「フィッティングもスムーズにいった。良い形で試合を迎えられると思う」と話した。加熱する周囲の反応も冷静に受け止めながら、新しい一歩を踏み出す。(カリフォルニア州ラ・キンタ/桂川洋一)