ドナルド・トランプ:成功の秘訣はゴルフ
世界の不動産王、ドナルド・トランプ氏は1997年の著書「ザ・アート・オブ・カムバック(逆転の秘訣)」にはビジネス上の不況から復活するルールのトップ項目に「ゴルフをすること」と書いている。トランプ氏の4500万ドルもする“お庭”、ウエストパームビーチの「トランプインターナショナル」はトム・ファジオ設計で米女子ツアー開催コース。トランプ氏が愛するこのコースで、なぜルールのトップ項目が「ゴルフをすること」なのか尋ねた。
ドナルド・トランプ氏
「私の経験から生まれた説なんだ。90年代前半は不動産業界が低迷して私も私の友人たちもみんな多額の借金を抱えどうにもならない状態にあった。ライバルの倒産は好ましいことだったけど、私も数十億ドルという負債を抱えていた。市場もひどい状態で、しかし私は倒産に追い込まれず、昔より大きな規模の会社に立て直した。その背景にゴルフがあったんだ。あのひどい状態から今の状態に復活するのには時間が必要だ。そんな簡単に良い兆しなんて見えてこなかったからね。だからどん底に居たときに私はただ悩んでいるのではなく、ゴルフに行った。数時間でも頭の中から仕事を追い出して、小さなムカツク白いボールを必死で追いかけたんだよ。でもゴルフは現実逃避の場所だけじゃなかった。ゴルフを通じていろんな人に出会ったんだ。ゴルフは人の性格がよく分かるし、ここで仕事の話を直接しなくても、重要な仕事につながる人脈を得られたんだよ。プレー中は賭けで10ドルしか勝てなくても、後に億単位の仕事になることは珍しくないんだ」
トランプ氏はこの「トランプインターナショナル」を真の宝だ語っている。
ドナルド・トランプ氏
「このコースはフロリダでナンバー1のコースに選ばれたけど、これだけ素晴らしいコースのオーナーというのは宝だね。政財界で力のある人物が皆ここでプレーしたがるんだ。よく頼みごとの電話がかかってくる。私が彼らにここでプレーさせてあげるだけで、彼らに貸しができるというわけさ。皆ここのメンバーになりたがってる。この間そのひとりに言ったんだ、『貴方は余程このコースが好きなんですね』って。その人がなんでかと聞くので答えたんだ。『だって私のことは大嫌いなのに、コースのメンバーに成りたいが為にこうして私に頼んでいるんだから』ってね」
トランプ氏は「AT&Tペブルビーチプロアマ」の常連だが、ペブルビーチに対しては野心を抱いている。
ドナルド・トランプ
「ペブルビーチを超えるコースを作りたい。すでに土地の用意はある。土地そのものはペブルより優る。300エーカーの土地は大西洋の海岸線に2マイル沿っている。出来上がったらペブルの最大のライバル出現となるはずだ」