2012年 全米プロゴルフ選手権

大観衆を引き連れJ.デーリーが好発進

2012/08/10 10:47
見るものを惹きつけるのがプロスポーツ選手のあり方?そうであれば、J.デーリーは偉大なプロだ。

ジョン・デーリーがPGAツアーに本格参戦した1991年、衝撃的なルーキーイヤーを彩ったのは「全米プロゴルフ選手権」での初優勝だった。クルックドスティックGCで行われたメジャーで、2位に3打差をつける勝利をマーク。その後、95年には「全英オープン」でメジャー2勝目を挙げている。

そのゴルフ界の“お騒がせ男”デーリーが今年の全米プロ初日に好スタートを切った。アウト、インともに2つずつスコアを伸ばして「68」で回り4アンダー。単独首位で初日を終えたカール・ペターソン(スウェーデン)に、2打差の6位タイで滑り出し「良いプレーができている。自分のペースを守ってやっていく」と満足げに語った。

前週の米ツアー「リノタホオープン」で5位タイと好成績を収めたデーリー。度重なる騒動で、一時はスポンサー離れにも悩まされた。現在はツアーのシード権を持っておらず、スポンサーの推薦出場に加え、欧州ツアーにも積極的に参戦。戦いの場を求めて転戦を続けている。だが本音は?「ここでプレーしたい。ツアーでやりたい。世界ランク50位以内に入って、(予選落ちの無い)WGCに出場するだけで賞金を稼ぎたい。全部のメジャーに出て、でっかいスポンサーにもついてもらいたい。(出場が可能かどうか分からない)試合を待つのはタフなことなんだ」

今大会は歴代王者に付与される資格で出場。そして、今週も多くのファンの真ん中で、ド派手なパンツをはいたデーリーがいた。「今日のバックナインはまた多くのギャラリーがついてくれて良いラウンドになった。他の選手はどうか知らないが、俺はたくさんの人の前でプレーするのが大好きだ」と喜びを噛み締める。

この日は1イーグル、4バーディを奪い、ボギーは2つに抑えた。しかし「浮き沈みが激しいのが、オレのゴルフ。オレの人生そのものだ。みんなの人生だってそうなんだろう」。ドラマチックな復活優勝といった結果とは別の興奮も、彼を追うギャラリーは期待している。(サウスカロライナ州チャールストン/桂川洋一)

2012年 全米プロゴルフ選手権