2012年 WGCブリヂストンインビテーショナル

日本勢は4日間でアンダーパーを出せず苦戦

2012/08/06 09:01
藤本佳則はプロ1年目にして全英に続くビッグトーナメントを経験した。

米オハイオ州アクロンで開催された「WGCブリヂストンインビテーショナル」は、最終日も上位陣はスコアを伸ばし、通算13アンダーをマークしたキーガン・ブラッドリーが終盤に逆転優勝を飾った。一方、4選手が出場(谷口徹は第2ラウンド終了後に棄権)した日本勢は、4日間を通して誰一人、1ラウンドでアンダーパーをマークできないまま、石川遼が通算6オーバー50位タイ、藤本佳則は通算8オーバー60位タイ、武藤俊憲は通算11オーバー67位タイでフィニッシュした。

最終日を10番から出た藤本は、インコースで2ボギーを叩く苦しい前半9ホール。しかし後半1番、グリーン奥からアプローチで寄せてパーセーブすると、続く2番(パー5)で2オンからこの日の初バーディ。さらに3メートルのチャンスを活かした5番(パー3)から3連続バーディを決めた。

しかし上がり2ホールはティショットが乱れて連続ボギーフィニッシュ。「70」のスコアには「後半はちょっとは良いゴルフができた」としたが、「プロゴルファーなんで、良いパフォーマンスができれば、良いゴルフはできる。でも4日間それを続けられるかは、また別の話」と悔やんだ。この最終日は1つ年上のリッキー・ファウラーと同組でラウンド。「やっぱり全体的に上手い。こっちのコースに慣れていると思った」。そして「こっちの選手は、ティショットを曲げてから、100ヤード以内のアプローチを残しても、(1パット)パーで上がる確率が高い。勉強になった」と、この差を生んだ要因のひとつを挙げた。

11月には「WGC HSBC選手権」にも出場する武藤俊憲。

そして2週前の「全英オープン」では藤本とともに決勝ラウンドに進んだ武藤は、最終日「74」で4日連続のオーバーパー。長距離移動や時差調整など、日本を主戦場とする選手は“ハンデ”もある。しかし疲労を感じながらも「いろんなものが見えました。また出直して来い、ということ。これが今の現実。世界との差は“ダブルスコア”以上ある」と、バッサリ。

ハザードなどのコースレイアウトだけではなく、フェアウェイやグリーンの傾斜と複雑に混合されたピンポジション。「こっちは『ここに打って来い』というのがある。頭も体も、いろんなものを使う」と、レベルの高いセッティングを改めて痛感した。

石川、谷口は次週「全米プロゴルフ選手権」に出場。藤本、武藤は帰国し「関西オープン」からさっそく国内ツアーを戦う。日本では味わうことも難しい屈辱を、糧にしたい。(米オハイオ州アクロン/桂川洋一)

2012年 WGCブリヂストンインビテーショナル