2012年 全米オープン

E.エルス、“千分の一”の1打で優勝戦線へ

2012/06/17 15:59
17番で起死回生のチップインイーグルを奪い、優勝戦線に浮上したE.エルス(Harry How/Getty Images)

米国カリフォルニア州にあるオリンピッククラブで開催されている海外メジャー第2戦「全米オープン」3日目。首位に5打差でスタートしたアーニー・エルス(南アフリカ)が1イーグル、3バーディ、3ボギーの「68」(パー70設定)をマーク。通算2オーバーは首位に3打差、4位タイへの浮上を遂げ、94年、97年に次ぐ大会3勝目に望みを繋いだ。

難度の高い1番から始まる前半は、5番まで3ボギーと下降線をたどっていたエルス。しかし、7番からの連続バーディで息を吹き返すと、12番でもこの日イーブンに戻すバーディ。そして、ハイライトは17番パー5に待っていた。

522ヤードと2オンも狙える短いパー5ながら、グリーン右サイドには短く刈り込まれた傾斜が待ち構えており、チャンスとピンチは紙一重ともいえるホール。果敢に2オンを狙ったエルスだったが、ボールは無情にも傾斜を転がり落ち、約15ヤードの難しい打ち上げのアプローチが残る。だが、この3打目を直接カップに捻じ込む起死回生のイーグルを奪い、笑顔でキャディとハイタッチを交わした。

17番グリーンを後方から。左の傾斜下から右グリーン上のカップに一発で沈めた(画像は練習日撮影)

「すごく嬉しかったし、気分がいいね。全米オープンであんなショットが打てるなんて夢のようだよ。(入る確率は)千分の一のショットだったね」と気分は上々。「4位タイ以内ならチャンスはあると感じている。アンダーを出せれば、明日はいけるんじゃないかな」。得てして、メジャータイトルを掴むには立場を一転させるようなビッグプレーも求められるもの。その1打を予感させるような瞬間だった。(カリフォルニア州サンフランシスコ/塚田達也)

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