2012年 全米オープン

【藤田寛之専属キャディ・梅原敦の全米OPレポート〈5〉】

2012/06/17 11:41
全米OPもあと18ホール、すべてを置いてきたいと思います。

全米オープン、決勝ラウンド。今日はアダム・スコットとの2サムでのラウンドでした。世界の超一流選手と全米オープンの決勝ラウンドで回れるなんて、本当に夢のようでした。

今日の藤田さんは昨日ほどのキレが無かったですね。凌いで、凌いで気持ちを持ちこたえ、必死にスコアを維持しようとしたんですが、結局今日は3オーバー。ここでの3オーバーは決して悪いスコアじゃないんだけど、トーナメントの3日目っていうのは優勝争いの選手以外は、みんなスコアを伸ばしにかかります。だから状態の良い人と、悪い人との差が大きくなり、結果全体的に順位が“バラけてくる”んです。

藤田さんの3オーバーはここではパープレーのような感じかな。ピンポジションも今日が一番スコアが出やすい位置だった事を考えると、1オーバーで回ってこれたら最高でした。

順位を上げる事が出来なかったのは残念ですが、勝負は明日の最終日。明日は最高に厳しい位置にピンを切ってくるはず。藤田さんは“藤田寛之の全て”をかけて最後のオリンピッククラブに挑みます。

ちょっと余談にはなりますが、アダム・スコットはやっぱり格好良かったな。顔なんてメチャメチャちっちゃいんですから。それにね、ドライバーの飛距離なんてハンパないですよ!?藤田さんがガッチリ当たったホールでも、軽く30ヤード以上は置いて行かれましたもん…。

アダムのキャディは長年タイガー・ウッズのキャディを務めたスティーブ・ウィリアムズ。僕としても世界の超一流キャディと同じ空気の中を歩く事が出来て、本当に幸せな一日でしたよ。スティーブがね、途中のホールで僕のキャディバッグを起こしてくれたんですよ。そしたらスティーブが「このキャディバッグはなんでこんなに重いんだ!一体何が入ってんだよ!?」ってビックリしてた。

あんなデカイ奴にそんな事言われたもんだから、その後のホールからいつも以上にバッグが重たく感じましたよ…。

2012年 全米オープン