背筋痛で棄権の池田勇太、久々のJGA競技に戸惑い
6月にカリフォルニア州のオリンピッククラブで開催される海外男子メジャー第2戦「全米オープン」の出場資格をかけた最終予選会が、静岡県のレイク浜松カントリークラブで開催され、2010年大会以来2度目の出場を狙う池田勇太も参加した。
36ホールのストロークプレーで上位6人がその資格を獲得することになるが、池田勇太は最初のハーフ9ホールを終了した時点で背筋痛のため棄権することになった。
背中を押さえて苦しそうに歩いているかと思いきや、池田は憤慨した表情でJGA(日本ゴルフ協会)常務理事の川田泰三氏のところに詰め寄った。池田は言いたいことを言い、川田氏をそれをなだめるような会話が続き、池田はいまひとつ納得しない表情でクラブハウス内に戻ってきた。
「まいったよ、5番で左に曲げたらマンホールの上だったんだけど、池だから救済が受けられないっていうんだよ。コースガイドにもスタート前のアナウンスもなかったし・・・。ギャラリーも俺の目の前通るし、打とうと思ったら2mぐらい後ろに立っているし、集中なんてできないよね」と話はつきない。
池田の言う5番の措置についてJGAに確認すると、以前からウォーターハザードとなっていて、わかりにくいと判断したために大会前日に赤線を引いて境界線をわかりやすくしたという。水が完全に干上がっているため、多くの選手はソールしないでそのままプレーを続けるが、たまたま池田のボールがマンホールに行ってしまった。そのことにJGAの役員は「不運としか言いようがないですね」と、池田が憤慨してまったことに残念だと話す。
また、この大会はJGAの意向で毎年無料でギャラリーを受け入れている。今年も670名のギャラリーが観戦に訪れたが、その誘導などは、例年と同数のスタッフ体制で運営していた。「ギャラリーにはプレーの妨げにならないようお願いしています。マナーと節度をもってというのは、こちらはお願いするしかできませんので」とJGA側の見解を示す。この予選会に初めて出場した池田は、通常のトーナメントのような対応を求めたが、それでも協会と池田の間に感覚の相違が生じてしまったようだ。
ジュニア時代からの池田をよく知る川田氏は「勇太の言いたいこともわかるが、みんな同じルールでやっている。勇太はああやって文句にも聞こえるが、ちゃんと提言をしてくれる選手の1人だから、これからも頑張ってもらいたいですね」と、静かにエールを贈る。(静岡県浜松市/本橋英治)