松山英樹、涙・・・2年連続のローアマチュアに2打届かず
ジョージア州のオーガスタナショナルGCで開催された今季の海外メジャー初戦「マスターズ」最終日。松山英樹が2年連続のローアマチュア獲得を逃し、涙した。「80」と崩れ、通算9オーバーの54位タイに終わり、米国のパトリック・カントレーに2打が届かなかった。
1オーバーの27位タイから出た松山は、スタートから流れに乗れないプレーが続いた。出だしの1番で1メートル強のパーパットを外して同ホールで今大会初のボギー発進。すると5番ではグリーン左奥のバンカーから脱出するのに2打を要し、ダブルボギーをたたいた。
さらに直後の6番からはパーオンを逃し続け、ショートゲームも振るわず3連続ボギー。前半「42」で通算7オーバーまで後退し、この時点で既にホールアウトしていたカントレーと並んでいた。
悪い流れは続き、11番でボギーとするが、それでも14番で第2打をピン右2メートルにつけて再び7オーバーに戻す。しかし16番(パー3)。ティショットをグリーン右奥のラフに落とすと、パターでの第2打は傾斜を下って左のカラーまで転がり、痛恨のボギーとして再び一打後退。17番で3メートルのバーディチャンスをつかむが、上りのスライスラインを右に外して天を仰いだ。
ラウンド後、テレビ局、海外メディアのインタビューを受けた直後のこと。日本メディアを前にすると、悔し涙で目を腫らし、クラブハウスに消えた。顔を洗って再び姿を見せたが、目は真っ赤だった。「自信のあったパッティングで、こんなに打ってしまってふがいない。グリーンのスピードも昨日と変わっていなかった。自分の打ち方の問題です」。
得意のグリーン上でのプレーに苦しみ「パットで不安を持っていると、ショットもアプローチも悪くなってくる」とプレー全体が悪循環に陥った結果の大叩き。しかし阿部靖彦監督は「シルバーカップ(ローアマチュア賞)を狙っていたら、こういうゴルフはしていなかった」と話した。3日目を終えて、アマチュアでトップに立っていた松山は、カントレーに6打差をつけていた。リードを守ることもできたが、あくまで来年大会の出場チケットを手にする16位以内を目指して戦った。
近日中に帰国し、再び東北福祉大ゴルフ部に戻る。まずは今年度の授業の履修届けを出さなければならない。「またここに来るための権利を取得したい。今日からそこに向けて、反省してしっかりやりたい」。アジア最強アマは、涙をふいた。(ジョージア州オーガスタ/桂川洋一)