2012年 マスターズ

遼、自己流調整を貫く 水切りショットにも成功!

2012/04/03 10:24
16番で水切りショットを成功させた石川遼は、歓声に応えながら笑顔でグリーンへ

今季の海外メジャー「マスターズ」は5日(木)、ジョージア州のオーガスタナショナルGCで開幕する。4年連続の出場となる石川遼は2日(月)、当地で松山英樹とともに練習ラウンドを行った。

いよいよマスターズウィークに突入したこの日、会場にはパトロンが大挙し、前日までとは雰囲気が一変した。そんな中、日本から出場する20歳の2人は黙々、淡々とコースをチェック。午前8時半から18ホールをラウンドし、前半アウトでは初出場のベ・サンムン(韓国)も交えてプレーした。

「昨日までとは全然違う。試合モードです」と話した石川だが、米国遠征中の練習ラウンドでは、日本ツアーでも度々見られる50ヤード前後のショット練習をほぼ毎ホールで繰り返している。「あれくらいの距離感が重要になってくる。(実際に試合で使うのは)1日、1、2回だけど、そういうところの力加減が大切」。その姿勢は夢舞台でも同じ。花道付近からのウェッジショットで距離感を養う。

「打つときに何ヤード、と考えながらやるのではなく、目測で感じる距離の方が合っていたりする。ヤーデージや歩測が100%あっているとは限らない。自分の目測を大事にしたい」。緊張感が極限に達する状況で、最後に頼るのは自分の感性。大勢の観衆の視線を浴びながらも「自分の練習ができていれば良い。練習ラウンドで良いプレーができなくても良い」と揺るがない。

その一方で、ファンを湧かせるべきところでは千両役者振りを発揮した。ティグラウンドからグリーン手前までが池となっている16番(パー3)、ロープ脇に陣取るギャラリーたちの「スキップ!スキップ!」という声に応えて、選手たちが水切りショットを放つ練習日恒例のシーン。石川は5番アイアンで放った2発目のショットで、見事グリーンに乗せ、拍手喝采を呼んだ。

過去3年も挑戦してきたが、成功したのはこれが初めて。「パトロンの人たちのためにやっているので、楽しんでもらえたら嬉しい」と両手を挙げてガッツポーズ。真剣な表情の中にも、会心の笑み。充実の調整を続けている。(ジョージア州オーガスタ/桂川洋一)

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