遼、米ツアーの特別一時会員に登録 シーズン後半はアジア進出?
男子プロゴルフの石川遼が19日(月)までに、今シーズン、米国男子ツアーのスペシャルテンポラリーメンバー(STM=特別一時会員)となる登録を完了させた。
同ツアーではツアー外メンバーに対し、年間の出場試合数を12試合までに留めているが、今回の登録によりその制限が撤廃される。今季残りの期間で、各大会の主催者推薦などを得られれば無制限に試合出場が可能となり、来季のシード権獲得に向けて有利な立場に立ったといえる。
石川は2週前の「プエルトリコオープン」でツアー自己最高位の単独2位に入り、今季の獲得賞金額を58万2471ドルまで上乗せ。昨シーズンの同ツアー賞金ランキング150位相当の額を超えたことで、STM登録の資格を取得していた。なお、同メンバーはFedEx Cupポイントは加算されないため、プレーオフ4試合には出場できない。
現在、米国男子ツアーにスポット参戦中の石川は今週、22日(木)開幕の「アーノルド・パーマーインビテーショナル」に出場。今大会が海外メジャー初戦「マスターズ」前の、自身最後のトーナメントとなる。シーズン前半戦にこのSTM資格を行使し、来季のシード権を獲得できる今季終了時点での賞金ランク125位以内の確保を目指すことになるが、「できればこの2試合で安全圏に入りたい」と意欲を語った。なお、昨季の125位の選手賞金額は66万8166ドルだが、ここ数年の実績から言えば、ボーダーラインは65万ドルから80万ドル前後といえそうだ。
また、石川は晴れてシード権獲得の可能性が高まった場合の残りシーズンのプレーについて新たな構想も披露した。「日本ツアーはもちろんだが、アジアの色々な国にも行ってみたい。アジアはマーケットとしても注目を集めているし、ゴルフ人口も増えている。チャンスがあれば試合に出てみたいと思う」と意欲。昨年12月に「タイランドゴルフ選手権」に出場し、アジアンツアー初出場を果たしたが、大陸全土で高まりつつあるゴルフ熱に貢献したい考えを持っている。
アジアをはじめとした各国へのゴルフの普及は石川にとっては“使命”のひとつでもある。今年の「マスターズ」は特別招待選手として出場する。マスターズ委員会は日本勢では群を抜く実績に加え、今後のアジアゴルフ界発展への寄与を期待するコメントを残した。「今年は日本、アジアを背負ってプレーするマスターズのような気もするし、すごく気合が入っています」。主戦場を“世界”とする準備が、いよいよ整ってきた。(フロリダ州オーランド/桂川洋一)