2012年 プエルトリコオープン

石川遼、3月11日の最終日は喪章をつけてプレー

2012/03/11 09:02
試合後、初タイトルのかかる最終ラウンドを前に打撃練習場で打ち込んだ石川遼

米国男子ツアー「プエルトリコオープン」に出場中の石川遼は第3ラウンドで「69」をマークし、首位に3打差の通算10アンダーの5位タイとなった。ツアー初優勝のかかる最終日は米国時間3月11日(日)、12時20分にティオフ。東日本大震災からちょうど1年。石川はプレー直前に黙祷をささげ、ウェアに喪章をつけてプレーすることを決めた。

昨年の3月11日、石川は米国本土に滞在中だった。フロリダ州ドラールで行われた「WGCキャデラック選手権」に出場中で、2日目のラウンドを戦う直前、早朝に目を覚ました直後に悲報を耳にした。その日のプレー直後、米国での石川は突如“主役”とされ、マスターズ直前から、義援金活動が世界のゴルフ界から注目を集めた。

あれから1年。被災地訪問など、現地での支援活動への関わりも持った。「まだ問題は残っているはずだけれど、被災地に行ったときの印象は前を向いて、歩いていこうという方々が多かった。日本人の思いやりは素晴らしいし、世界一だと思っている。この一年で、日本人で本当に良かったと思った。明日が僕らにとっての3月11日です」。

当時と同じように国内で思いを共有することはできないが、待望の初勝利が期待される今大会最終日は、石川にとってもひとつの節目となる。「誰かのために、誰かを勇気付けるためにやるのではない。自分が常にベストなパフォーマンスができるように集中して、その結果、誰かが元気になってくれればスポーツ選手としてはこの上ない幸せです」。自分のゴルフが、復興への力となるかは分からない。けれど何かを伝えたい。ただ今は、自分にできる精一杯のプレーを見せることを約束した。(プエルトリコ・リオグランデ/桂川洋一)

2012年 プエルトリコオープン