2011年 全米プロゴルフ選手権

【特集 タイガー・ウッズの見方(5)】ゴルフフォトグラファーの視点

2011/08/11 13:36
ジョン・ダニエル・クバン/米国ゴルフダイジェストに写真を提供するゴルフフォトグラファー。9年のキャリアを持つ。

8月第1週の「WGCブリヂストンインビテーショナル」で度重なる故障から約3か月ぶりに戦線復帰したタイガー・ウッズ。だが同大会では37位タイと振るわず“復活”への光はなかなか見えてこない。スキャンダルの問題が発覚して以降、勝利の無いタイガー。ロリー・マキロイら新世代の台頭も著しい昨今、あの強さはもう戻ってこないのか。そんな疑問をPGAツアーで取材活動を続ける関係者に「全米プロゴルフ選手権」会場でぶつけた。第5回はゴルフフォトグラファーのJ.D.クバン氏。

―タイガーが戦線復帰したタイミングをどう思うか
「ケガは治ったように見える。元々試合に出たい気持ちは強かったと思うので、今季最後のメジャーの前の試合(WGCブリヂストンインビテーショナル)に出たかったのでは」

―今の状態はキャリアの中で最も悪い時期か
「レンズを通してみると、体調は先週はパーフェクトな状態に近い。力強さもあるし、体も鍛えられている。ただ試合勘がなく、スイングが少し錆びついているところがあるかもしれない。だがそれも試合をこなしていけば取れていくだろう」

―今大会を撮影するうえで、タイガーの優先順位は何番目か
「もちろんタイガーが一番だ。アクションが最も派手だからね。とにかく画になる。ただ、そのアクションも彼の場合は特に成績に大きく左右される。ロングパットを決めたり、木の後ろから打ったり、深いラフから打ったりするときも優勝争いしているからこその動きだ。今年のマスターズの最終日もガッツポーズがあった」

―スキャンダルで米国人のタイガーに対する見方は変わったか?
「タイガーはとてつもなく有名人。コアなゴルフファンでなければ、タイガーがすごく成績が良かった時はものすごく盛り上がったが、スキャンダルによってタイガーから一瞬にして離れて行った。彼らは今でもスキャンダルとゴルフとを切り離して考えられない」

―メジャー通算14勝のタイガーは復活し、ジャック・二クラウスの通算18勝の記録を上回ることができるか
「生きている間にジャックの記録を抜くのを見たい。だがかなり難しいと思う。タイガーはその力を持っているのだけれど。ただ一つ言えるのは、タイガーは誰もができないだろう、と思っていたことをやってきたということだ」

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